好きで好きで好きで好きで
大好きなんです


「うっわ・・・、外、凄い吹雪になってるし・・・」
「お!本当だ、真っ白で何も見えないや」


――――ゴォオオ

風の唸る音が聞こえる。
しんしんと静かに降り積もっていた筈の雪は時間帯が変化したと共に唐突に吹雪に変わり、
降ってると言うよりも風と一緒に横に流れて言っていると表現した方が正しい状態になっていた。
達は今、クローバーの塔の敷地内にある『かまくら』の中に居る。
因みに、実はこれを作ったグレイは西洋風のお城を作るつもりだった、と言う事実は、
口に出しちゃいけないし考えてもいけないお約束だ。
途中経過はこの際置いておくとして、達はこうしてかまくらの中で快適に過ごせている訳だし、
ここはグレイと一応ナイトメアの奴にも感謝しておこうと思う。
例えこの雪祭り自体がナイトメアの我儘の産物だったとしても、
達が楽しませて貰ったのは確かだ。
プレイヤーだった頃には見る事の出来なかったグレイの残念な、基、
努力が少しだけ報われなかった感じの雪像もリアルに見る事が出来たし、
街中に有る綺麗な雪像もの目を楽しませてくれた。
そして今は外が吹雪になってしまったとは言え、
コタツのおかげでボリスと一緒にまったり過ごせている。


「この様子だと時間帯がまた変わらない限り止みそうにないわよね。
まぁ、こたつもあるからそう寒くもないけど」
「いいじゃん、今は俺達二人だけなんだしさ、暫くここでのんびりさせて貰おうぜ」

言いながら、ボリスはコタツから頭だけを出してごろごろと喉を鳴らした。
その様子が何だか可愛くて、おかしくて、は思わず小さく吹き出す。

「やっぱ猫よね、ボリスは」
「そうだよ、俺は猫だから、温かい所大好き。
あんたの世界じゃ、このあったかおこたってどこの家にもあったんだろ?」
「んー、まぁ、大抵はね。最近じゃ床暖房とかカーペットもあるから皆って訳じゃないけど、
多分大体の家にはあるんだと思う、ホント、多分だけど」
「いいよねぇ、これ・・・。猫はこたつで丸くなる〜♪っての、マジでよく分かるぜ」

上機嫌の様子のボリスは、
ついさっきが話題に出したばかりの童謡の『雪』の一部を口にし、
ほんわりした表情で目を細める。
は彼の頭にそっと手で触れ、ふわふわと手触りのいい耳の辺りを撫でた。
彼はそのの手に本当に猫がすり寄って来るような仕草をして見せる。

「ボリス、眠いんだったら寝てもいいけど」
「やだよ、折角こんな時なのに、勿体ない」
「?折角って・・・、ん?ああ、もしかして吹雪が珍しいとか?
実はもこんなに凄いの始めてかも。・・・って言うか、ここ、壊れないわよね?」

そこまで柔な出来にはなっていないだろうとは思うものの、
外が余りにも酷い吹雪なのでさすがに心配になってしまう。
元々は雪国の出身でもないし、だからって雪が珍しいって程南国に住んでいた訳じゃないけど、
それにしてもここまで激しい吹雪は元の世界は勿論、この冬のクローバーの塔の領土内でも初めて見る。
これでもしもかまくらの中じゃなく、
あの吹雪の中に突っ立てたりしたら、こんな場所でも遭難してしまいそうな勢いだ。

「はははっ!壊れないよ、心配しなくても平気だって。
まぁ、もし万が一そんなことになっても夢魔さん・・・・・・・は、絶対無理か、
あー・・・ほら、蜥蜴さんとかが助けてくれるって」
「ナイトメアは確実に即死だよね、今外に出たら。
そ、そうよね、万が一の時はグレイが助けてくれたり、
ユリウスが時間帯変えてくれたりするよね、きっと」


お願いだからそうであって!!!!
・・・・・・・・・って言うか、どこまで役立たずなんだろう、ナイトメア・・・。


「って言うか、そうなったらなったで俺があんたを守るから安心しろよ。
蜥蜴さんや時計屋さんばっかを頼るんじゃなくて、
あんたの目の前に居る俺を見てよ」

吹雪の中青白い顔で吐血して倒れるナイトメアを想像して一人、げんなりしていると、
不意にボリスがの膝辺りから這いあがって来た。


「・・・ねぇ、そんなことより、今は二人っきりなんだぜ?
もっと他に考える事があっていいんじゃない?」
「え?」

更にそう続け、ボリスが金色の猫の瞳で意味深な視線を投げかけて来る。

「ボリス・・・!?」
、外の吹雪なんか気になんなくなる位に、俺があっためてあげるよ」

舌舐めずりする様な仕草でそう言い、同時にボリスはを組み敷いた。
ほんの一瞬きょとんと彼を見上げた後、は余りに突然の急展開に激しく動揺する。

「な"っ!!!!なななっ、なに、何言って・・・!」

思わずどもって返したに、今度はボリスはの上に覆いかぶさったまま、
結構な至近距離で笑いを堪え切れなかったように吹き出した。

「・・・・・・・・・ぶっ・・・・クックック・・・!あんた、相変わらず色気のねぇ反応」

言いざま、ボリスがの肩口に顔を埋める。
その間も笑い続けているのか、頬に触れるボリスの柔らかな猫耳が震え、
そして同時に彼の肩が小刻みに揺れる振動がの体にも伝わって来た。

「・・・悪かったわね、色気がなくて!つか、人で遊ぶの止めて!」
「だってさ、あんたで遊ぶの楽しいんだもん。
・・・・・・・・ああでも、・・・俺はあんたの、色気のない反応・・・・・・以外もよく知ってるけどね」

悪びれずに笑って答えたボリスは、後半、
突然ニヤリとさっきまでとは違う意味深な笑みを浮かべた。
そして、いつもより少しだけ低めの声で囁くようにそう口にし、
わざとの耳元に唇を寄せて来る。

「っ!!」
「ねぇ、俺、あんたの可愛くて色気のある方の声、今すぐ聞きたくなってきちゃったぜ」
「な"っ・・・・・、・・・いやいやいやいや、続けて同じ手には引っ掛かりませんから!
だから人で遊ぶの止め「・・・冗談だと思ってんの?」

の言葉を遮るようにそう言ったボリスは、
そこで突然の耳元にねっとりと舌を這わせた。
猫独特のざらついた舌がの耳を温い温度で湿らせる。

「〜っ〜っ、ボリス・・・!こ、ここ、他の領土!」
「そんなこと分かってる・・・。だけど外は吹雪だぜ?ここに居るのは俺とあんたの二人だけ・・・。
誰も入って来やしないよ・・・・」

ボリスが喋る度にの耳に吐息が吹きかかり、
今彼が舐め上げた部分がひやりと何とも言えない冷たさを感じさせる。

「俺達の居る夏だと、あんた暑い暑いって言ってあんまりひっつくの嫌がるだろ?」
「そ、それでもボリスは十分くっついて来てるし!」

遊園地勢力の夏はこのクローバーの塔の冬と同じように、の知ってる夏よりもかなり暑い。
大げさじゃなく、このまま暑さで自分が溶けてなくなるんじゃないかって位の温度だ。
夜になれば昼よりはほんの少し、本当に本当にほんの少しだけ過ごしやすくなりはするものの、
熱帯夜なんてザラで、誰かと密着して過ごすなんてのはかなり厳しい。
それでもボリスは毎度一緒に寝るんだと引かないし、
で何だかんだでボリスを好きだから、
結局流される訳だけど、あの暑さは本当に勘弁だと思う。

「そうだよ?俺はあんたが何と言おうともうあんたにひっつくって決めてる。
・・・・・・・・・・だからあんたももう諦めなよ・・・。
・・・・・コタツなんかなくても、暑くなっちゃう位、俺があんたをあっためてあげる」

首筋に顔を埋めたボリスが、そこに舌を這わせながら、片手での体を弄る。
コタツに入っているのは太股から下辺りなのに、既にの体温はかなり上昇していた。

「・・・・ボリス、よくそう言う恥ずかしい事言えるね・・・」

憎まれ口を叩きながらも、
結局は自分がボリスに抵抗できない事なんかもうとっくのとっくに知っていた。
ボリスの言う通りに諦めるってのは癪だし、外が吹雪とは言え、
他の人が入って来る可能性も0じゃないかもしれないのに、
それでもの脳内は甘ったるい思考に侵され始め、両腕を自然とボリスの背中に回してしまう。

「俺は本心で言っているんだぜ?それに・・・こんな台詞でも口にしなくちゃ、
あんたは俺がどんなにあんたを欲しがってるか気付いてくれないだろ?」

言い終えてすぐに、ボリスの唇がのものを塞ぐ。
いつの間にかスカートが大胆に捲れ、その剥き出しの太股にピンクの猫の尻尾が絡みついていた。
唇を割って入って来た猫の舌のざらざとした感触がの口内一杯に広がる。
耳にはまだ外の吹雪の風の音が如何にも凍えそうな空気を伝えて来るのに、
コタツから出てしまった部分も含めて、の体温はさっき以上に上昇の一途を辿っていた。
口内で舌と舌が絡み合わされ、強く結ばれる。
その間に温い唾液がとろとろととボリスの口に溜まって行った。
ボリスが服の下から直に肌に手を触れて来る。
寒さを感じている訳じゃないのに、瞬間的にぞわりと鳥肌が立った。

「・・・・さすがに洋服脱がせるってのはちょっと無理・・・かな」
「・・・そ、れは・・・、なし・・・!」
「残念・・・・」

キスの合間にそんな会話を交わして、また唇が重なる。
溢れた唾液が口内でちゅくり、と更に溶けて交わるように粘着質な水音を立てた。
ボリスの掌が強引に下着をずり上げて胸元を弄ぶ。

「ッハ、・・・ン・・・・、ボリス・・・」
「ほらね、聞けた・・・・。あんたの可愛い声・・・」
「〜ッ〜ッ!」

ボリスに指摘されて、自分の声がどれだけ馬鹿みたいに甘い物になっているかを再認識させられる。
外の吹雪やこの場所がどこなのかを考える余裕も、今のにはもうなくなってしまっていた。

「もっと聞かせてよ」
「ボリス・・・、・・・っ」

胸の膨らみを揉みしだいていたボリスの手の指先が、その先端を摘まみ、
ころころとそこを転がし始める。
それに反応して体が震え、軽い電流を流された様な錯覚に陥った。
どこまでもなされるがままの自分が情けない。
だけど、そうなることに慣れてしまってもいた。
ボリスがにとって本当にリアルに大好きな人になったあの時から、
口では何だかんだ言いつつも、結局受け入れてしまう。
の脚にボリスの長い脚が絡められ、密着した部分から高めの猫の体温が伝わって来る。
コタツに入っていることも含めて、もう汗ばむほどに体温が上がっていた。


「聞かせて、普段は聞けないあんたの可愛い声・・・。俺、もっと聞きたい」


外は未だに吹雪で、かまくらから一歩出れば極寒と言うのに相応しいんじゃないかと思う位だ。
それなのに、の脳内は既に甘ったるく蕩けた方向へとぶっ飛んでしまい、
ボリスから与えられる熱に溺れ始めていた。
こんな恥ずかしいこと、口に出しちゃ言えないけど、
彼の言う通り、もうコタツなんてなくても十分体が熱くなってしまっている。


―――ゴォオオ・・・



唸る風の音が耳に響く。
次の時間帯も吹雪だったらいいのに、なんて、
ちょっと笑えないどぐされた甘い思考を働かせつつ、
はボリスの背中に回した腕にぎゅっと力を込めた。


(END)



アトガキ
・・・・結局見本の長さには収まりませんでした(苦笑)。
そして最後が私的お約束のまとめ方になってしまった!
とにかく二人がいちゃついてればOKと言う有難いリクだったので、
ジョカアリ設定にしてみました。
ボリスとトリヒロAでジョカアリは初めて書けたので満足ですv
ハトアリ設定と違ってそれなりにラブい感じに書けて居れば・・・と思います。
ハトアリ設定の二人は中々痛々しい関係(苦笑)なので。
でもまぁヒロAが相変わらず押され気味なのはこれは標準仕様ってヤツですね。
本当はもう少しいちゃいちゃさせるつもりだったんですが、
思ってたよりちょいとばっかり糖度が下がったかも?しれません。 ・・・いや、まぁ、十分してるけどね!!見本の2つが自分的にアレだったんで(笑)
ではでは、リク下さった亜貴様、お付き合い下さった姫様!!
誠に感謝感謝です!本当に有難うございます。失礼します〜v
Title by ユグドラシル

Photo by ミントBlue  Image by snow white **  Title by ユグドラシル ・ 群青三メートル手前 Designed by 天奇屋