最近身に付いたの特技。
ディーとダムを見分けること。
と言っても、ハッキリとどちらがどう違う、と言い切れる訳じゃない。
何となくそうかな、程度の曖昧な感じだ。
だから二人が入れ替わって遊んでいるらしい時も、
自分でもいまいち説明出来ない微妙な違和感を感じて、
もしかして、と疑問に思う程度。
その間隔は本当にバラバラで、
彼らにとっては本当に遊びの一貫みたいなものらしかった。
そして今も―――――

「入れ替わってる・・・・っぽいな・・・。」
「「!?」」

ぼそり。
呟いたの言葉。
独り言のつもりだったけど、二人の耳にはしっかり届いたみたいだった。
双子は同時に驚いたような瞳でを見上げる。
そして彼らはに視線を固定したまま、口を開いた。

「聞いたかい?兄弟。」
「ああ、聞こえたよ、兄弟。やっぱり変だ、すごく変だよ、このお姉さん。」
「うん、凄く凄く、予想以上に変だ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

こっ、このドぐされツインズ、どこまでも失礼な反応なんだけど!!


赤と青の双子の瞳は殆ど凝視に近い状態で、
そりゃもうの体全体に大穴が空きそうな勢いでジッと見つめまくっていた。
さすがにこの状況は居心地が悪い。
しかも何故か彼らはジリジリととの距離を詰めてきていた。

「ちょ、ちょっと・・・?」

咄嗟に後ずさりするを、双子が同時に追い詰める。
何だ、何だ、何なんだ、この二人は!
毎度のことながら、双子の行動は全く理解できない。
って言うか、その手にある黒光りしまくりのデカイ斧を持ったまま迫ってこない欲しい。
本気、これは勘弁してほしい。

「お姉さん、僕達を区別できているの?」

赤い服、赤い帽子、赤い瞳、ダムの姿のディーが言った。

「お姉さん、僕達がどちらか分かっているの?」

青い服、青い帽子、青い瞳、ディーの姿のダムが言った。

双子が側に居る間はステレオモードは常にオン。
追い詰められた挙句、壁にどんっと背中をぶつける

「ねぇ、僕達の質問に答えてよ、お姉さん。」
「・・・や、別にハッキリそう分かるってほどじゃ・・・ただ、何となくそうかなって・・・。」

素直に返事をしながら、は背中を思いっきり壁に貼り付けた状態になっていた。
そこで二人は何やらお互いに視線だけで会話をしている。
双子にとって、見分けられると言うことは余り喜ばしいことではないみたいだった。
そう言えば、アリスでさえ彼らを見分ける事が出来ずに居たらしいけど、
それでも二人は全く気にしてなかった。
寧ろ見破られたことの方が複雑な気分みたいだし。
迂闊に口にするんじゃなかった、と、今になっては後悔する。

「お姉さんが不思議で変なのは分かっていたつもりだけど、
ここまでとは思わなかったね、兄弟。」
「そうだね、兄弟。正直本当に驚いているよ。お姉さんのおかしさは普通じゃない。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
神様、神様、神様、神様!!!今度こそこの双子を今すぐ直ちに抹消して下さい!!!


勿論やっぱり神様なんて信じてないではあるけど、
願わずには、念じずには居られないこの状況。
が双子の区別を出来たことがそんなに衝撃的だったのか、
さっきから変だ、おかしい、を連呼されまくってる。
だけど正直、には何で双子がそこまでこの事に拘るのかちっとも全く理解できない。

「・・・ねぇお姉さん、どうしてお姉さんは僕達が入れ替わっているのが分ったの?」
「僕達の演技、お互いに完璧の筈なのに、何だかショックだよ。」
「・・・・って、言われてもさ、さっきも言った通り、
もハッキリ区別できる訳じゃないし。
見た目は完全にいつも通りだからどこが違うって口じゃ説明出来ないし…。」

がそう答えると、双子は再度、視線だけで会話するような態度を見せた。
そして。

「っ!?何!?今度は何よ!?」

唐突に、本当に唐突に両目をどちらかの手で塞がれる
視界が突然真っ暗になって、一瞬普通に焦る。


くすくす。

双子が同時に小さな笑い声をたてて笑い始めた。
ヤバイ。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
この笑い方は警戒しなきゃいけない。
身の危険を強く感じる。

「!?」

と、今度は不意に両腕までも封じられてしまった。

「ディー、ダム!?」

瞬間的に体を動かそうとしたに、両脇から二人が密着してきたのが分かる。
少年たちの高めの体温。
だけど、それは子供の体温が大人のものより高いとか、
そう言う類とは明らかに別ものに思えた。

「お姉さんは視覚だけで僕達を区別している訳じゃないってことだよね。」
「だったら僕達はそれを調べなきゃいけないよ。」
「うんうん、今からそれを調べるから、少しじっとしていて欲しいな。」
「そうだよ、お姉さん。感覚だけで僕達を区別出来るのなら、教えて欲しいんだ。」

双子が交互にそう口にした。
言っている意味が何となく分かり始め、更に、嫌な予感がの脳内に張り付く。
この少年悪魔どもは、また子供にあるまじきことをしようとしてるんじゃないだろうか。

「ちょっと、待っ・・・・・・・んンっ!!」

案の定、視界と両腕を塞がれたままの状態で、双子のどちらかがの唇に唇を押しつけてきた。
何てお約束のパターンだ。
―――――――じゃなくて!!!
こんなことがお約束になるなんてたまったものじゃない。
は首を振ってキスが深くなる前に拒絶しようとしていた。
だけどそんなことが、この悪魔たちに通じる訳もなく。

「駄目だよ、お姉さん。ちゃんと確かめなきゃ。今キスしているのはどっちだと思う?」
「そうだよ、お姉さん。ちゃんと確かめなきゃ。今触っているのはどっちだと思う?」

「ん・・・フっ…!」

二人の台詞とほとんど同時に、キスをしていた方の双子の片割れがの唇を割って、
ぬらりと舌が挿し入れられる。
そして嫌になるほど絶妙のタイミングで、
もう一人がの太腿を撫で上げながらスカートを捲り上げた。


「逃がさないよ、お姉さん。どっちが何をしているのか口で言ってくれるまでね。」
「覚悟してね、お姉さん。きちんと区別して名前を呼んでくれるまでは離さないから。」


「〜〜〜〜〜〜っっ!!!」


こんの×××××!!!の××××野郎ども!!!!


声にならない絶叫を心に中で力の限り、響かせる
もうどっちがどっちだろうとそんなこと全く関係ない。
こいつ等は、どちらにしろ、紛れもなく二人とも悪魔なんだから。


(終わり)



後書き
アンケートで予想以上の好評を頂いている双子夢・・・。す、凄いですね、ブラッドと張ってます(笑
アリスは双子を見分けられないってことだったので、ヒロインはその逆にしてみました。
そろそろアリスも本格的に登場させたいところ。
スランプ中なので無駄に時間をかけて書いた1本ですが、楽しんで頂けたのなら幸いです。
ではでは、お付き合い下さった姫様に感謝しつつ、失礼します。


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