「へぇ、つまりアンタ、この二人を同時に相手にしてんの?
やるねぇ、人は見かけによらないってことかな。
ねぇ、だったら俺のことも試してみない?
あいつらよりもっと、アンタを満足させられるかもしれないよ?」
「駄目だよ、ボリス。幾ら友達でもこのお姉さんは譲れないからね。」
「そうだよ、ボリス。このお姉さんはもう身も心も僕達のものなんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
こいつら。
こいつら、こいつら、こいつら!!
どこを、どう、ツッコメばいいんだろう。
いや、この際きっとツッコミを入れないことこそが真に正しい道に違いない。
分ってる、それはだって十分分ってる。
だけど――――
「そっかなー、ンなことヤってみないと分らないと思うけど。
俺との方が相性がいいかもしれないぜ。」
紫のチェシャ猫。
ボリス=エレイ。
が複雑極まりない表情と一緒に殺気を発しているのを双子達と同様華麗に無視し、
話をどんどんどんどん妖しい方向へ持ち込みまくっている。
しかも。
「それはないね。何と言っても僕達が一番お姉さんを知っているんだから。
お姉さんの弱い所は全部知ってる、隅々まで全部。
僕たち以上にお姉さんを満足させられるなんてあり得ないよ。
そうだろ?兄弟。」
「そうだよ、兄弟。お姉さんの弱点は知り尽くしているからね。
今すぐにでも攻められる位だよ。
まぁ、お姉さんの色っぽい顔を僕達以外の人間に見せたくないからそんなことはしないけどね。」
このドぐされツインズも普通に話に乗って会話してるし。
勿論、のことなんか無視しっぱなしの状態で。
って言うか、何でこの場で一番年上の筈のがここまで立場的に弱者な感じ・・・?
とは言え、この世界の人間に平凡な一般人のが敵うわけがない。
年齢以前に、普通の人間が彼らに太刀打ちしようなんて考えるだけ無駄だ。
ここは割り切って諦めるのが上策に違いない。
そうだ、そうだ、耐えろ、。
と、必死に自分に言い聞かせる。
その間もチェシャ猫と双子は卑猥な話に花を咲かせていた。
「悪いけど、テクなら俺も負けないと思うね。
大体二人がかりじゃ彼女だけに負担かかるんじゃね?
俺なら一人で十分イカせる事が出来るぜ。」
「無理だね、お姉さんにとって僕達以上に相性のいい奴なんていないよ。」
「そうだよ、それに今さらお姉さんが一人相手に満足出るとは思えないしね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
頼むから滅べよ!!!!!!!!!!!!!!
そろそろ神頼みなんて言う不毛なことは止めて、
自ら手を下すべき時が来たのだろうか。
しかも、何か殺意を抱く相手が一人増えてるし。
「あんた達ねぇっ、そう言う話をするならせめての居ないところでやって!
どう考えてもわざわざ呼び出して聞かせる話じゃないし!」
耐えきれなくなっては声を上げた。
ようやくそこで3人の視線がハッキリとに移る。
「あれ?、あんたもしかして怒ってんの?」
「怒らないで、お姉さん。僕達絶対お姉さんを誰かに渡したりしないからね。」
「うんうん、僕達お姉さんを誰かに渡したり絶対しないよ。
例えそれが友達でもね。だから安心して。」
話が、会話が、繋がってない。
今更ここの世界の人間にそんなことを求めるなんて間違ってるのかもしれない。
しれないけど、思う。
人の話を聞いて!!!!!
今のの言葉をどう解釈したらそう言う方面に取れるんだろう。
大体彼ら3人の話が始まった瞬間からは不機嫌だった。
なのに何で今になってやっと怒ってることに気づくんだ。
色々な意味で不思議過ぎる。
「お姉さんがどんなに不思議でおかしくても僕達だけはお姉さんが好き!
ねぇ、兄弟、そうだよね。」
「そうさ、兄弟。その通りだよ。お姉さんがどんなに変だって平気だ。」
「・・・ん?何だよ、。あんたヤバいプレイが好きなの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥。」
ぶちっ。
と、頭の端っこで何かのキレる音がした。
ああ、ああ、ああ。
もう、限界だ、このドぐされどもっ!!
「は戻る!あんたたちは勝手に話し込んでればいい。」
クルリ。
3人に背を向けて、スタスタと屋敷に向って歩き出す。
大人げないのは分ってる。
分ってるけど、もう、無理過ぎだった。
「〜♪マジに怒ったみたいだね。んじゃ、俺もそろそろ帰るか。」
言って、ボリスが双子達に別れの挨拶をして、の方に走り寄って来た。
肩に軽く手を置かれ、耳打ちされる。
耳朶に猫の吐息がかかった。
だけどそれは一瞬の出来事。
ボリスはそのまま何事もなかった様に背中を向けて手を振りながら、帰って行った。
「「お姉さん!」」
その直後。
双子が慌てたようにを追いかけてくる。
そして、例によっての左右の腕を掴んで両脇を固めた。
「「ねぇ、何を言われたの!?」」
二人同時に訊ねてくる。
「え?いや、ただばいばいって・・・。」
ホントにそれだけ。
と、付け加えようとしたけど、無駄だった。
ディーとダムはの顔を覗き込んで、それからチラリとお互い視線だけで会話を交わす。
ヤバい。
誤魔化しきれなかった。
そう悟った時にはもう遅かった。
両脇の少年悪魔達が、の腕から腰に手を移動させ、纏わりついてくる。
「お姉さんに本当のことを話してもらわなくちゃね、兄弟。」
「そうだね、兄弟。ちゃんと聞かなくちゃ納得いかないよ、兄弟。」
「・・・嘘ついた覚えはないんだけど。」
言ったを、ディーとダムが、ほぼ同時に見上げる。
その唇、ニヤリ、と、意地悪く笑った。
「お姉さんはやっぱり正直に言ってくれないみたいだ、兄弟。
少し乱暴な聞き方になっちゃうね。」
「仕方ないよ、兄弟。お姉さんて、実はそう言うの好きみたいだから。」
「そうか、じゃあ問題ないね。寧ろお姉さんも悦んでくれて一石二鳥だ。」
「そうだよ、兄弟。」
「!!!」
スゥと、の体から血の気が引いて行く。
最悪。
最悪のパターンだ。
ボリス!!
咄嗟に諸悪の根源をボリスに仕立て上げる。
って言うか、八割がたあのチェシャ猫のせいだ。
―――いつでも呼んでよ、。絶対あんたを満足させてみせるからさ。
彼の去り際の台詞。
そんなこと、双子に言える筈もない。
祈ることすら放棄し始めただけど、結局やっぱり祈ってしまう。切実に。
神様、神様、神様、神様!!!
この少年悪魔どもと同様、あの猫少年も抹消してやって下さい!!!
お願いします!!!
(終わり)
後書き
初めて他キャラを絡ませてみました。
予想以上にこのシリーズが数を伸ばしていて自分でもビックリです。
双子はアンケートでも圧倒的な支持を頂いているので、それも手伝っているかと(喜)
そしてヒロインがどんどんお笑い系ツッコミ女子になっていっている気が(笑
ではでは、ここまでお付き合い頂いた姫様、誠に有難うございます。
失礼いたします
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