「「うわあああああああああ!!!お姉さん!!お姉さん!
大変だよ、大変だよ!!大変なんだよ!!大変なんだ!!とってもとっても大変なんだ!!」」


――――ガスドガッバキッ
      ガスドスドッ


時間帯は夕方。
悲鳴にも近いけたたましい声を上げながら、双子は余りに唐突にの部屋へ奇襲攻撃をかけてきた。
奇襲攻撃。
まさにそう言うに相応しいのは、の部屋のドアを斧で凄い勢いでぶっ壊してくれやがったからだ。
因みに、今の部屋にはアリスも一緒で、
彼女は無残に壊れ去っていくの部屋のドアをこれ以上になく驚いた様子で凝視していた。
そしてとうとう双子の凄まじい攻撃に耐えきれなくなったドアは、殆ど本来の姿を失った形で崩れた。
それと同時にどぐされツインズはそのドアを思い切り踏みしだきながら、の部屋の中に侵入してくる。

「お姉さん!!大変なんだ!!大変だよ、大変なんだよ!!」
「そうだよ!!大変なんだよ!!とっても大変で、大変なんだ!!」

二人はそう叫び声を上げながら達の傍に駆け寄ってくると、
とアリス、それぞれに一人ずつ、抱きついてきた。
ついでに言うと、ディーがアリスに、ダムがにと言った状態だ。
アリスはディーとダムとに交互に呆れかえった視線を向け、大きく溜息を吐いた後、口を開いた。

「・・・そうね、大変よね。・・・・・・・あんた達のせいでの部屋のドアがとっても大変なことになっているわね。」
「・・・・・・・・・うん、あり得ない状態なんだけど。
って言うかさ、慌ててるなら逆に普通に入って来た方が時間掛からなかったんじゃないかって話よね。」

「ドアなんかどうだっていいよ!!大変だよ!!大変なんだ!!!ねぇ、兄弟!!」
「そうだよ、そうだよ!!兄弟の言う通りだよ!大変なんだよ、とっても、とっても大変なんだ!!」

赤と青の双子はかなり興奮した様に大変だ、大変だと繰り返す。
入って来た時の状況と言い、今の二人の様子と言い、それ相応の理由があるには違いない。
違いないけど、どう考えても、ドアをぶっ壊して侵入してきていい理由にはならないだろう。
アリスは再度、溜息を吐いた後、少しだけ屈んでディーの両肩に手を置いた。

「ちょっと落ち着きなさいよ、二人とも。そんなんじゃ何が大変なのか全然わかりゃしないわ。」
「うん、アリスの言う通り。達にも分かるように説明して欲しいんだけど。」
「落ち着いてなんかいられないよ!!だってとっても大変なことが起きているんだ!そうだよね、兄弟!」
「そうだよ、兄弟!大変だよ、大変すぎるよ!」

アリスとが二人を落ち着かせて話を聞き出そうとと試みたものの、彼らは全くそれに耳を貸さない。
この部屋に飛び込んできた直前と同じように、大変だ大変だと何度も繰り返している。
とアリスは互いに目を見合わせた。
一見可愛らしい容姿の帽子屋の門番の双子・トゥイードル=ディとダム。
だが、あくまでもこの双子は一見(・・)可愛らしいだけで、中身は悪魔そのものと言ってもいい位無邪気な残虐性を持っていたりする。
巷ではブラッディ・ツインズなんて呼ばれて恐れられてる位の少年たちだ。
その彼らが、今、激しく動揺していると同時に、同じ位何かに怯えたみたいな表情を見せている。
この世界に来てからは勿論、ここに来る前(・・・・・・)にだっては彼らのこんな姿を見たことはなかった。
その原因が何なのか、はある種の野次馬根性に近い好奇心を抱いてしまっていた。
とは言え、ここはあの(・・)ハートの国。
この双子がこれだけ怖がるようなものなら、
みたいな思いっきり非戦闘向け一般人が関わっていいようなことじゃないかもしれない。
だけどここは何と言っても天下の帽子屋一家(ファミリー)の本拠地だ。
早々やアリスに危険が降りかかるとも思えない。
それ以前に、そんなことがこの屋敷内で起こるものなんだろうか。
再度、チラリとアリスに視線を向けると、彼女もと同じような考えをもっていることが何となく見て取れた。
達はお互い小さく頷き合うと、
それぞれ自分に縋りついて未だに大変だと喚いている双子の顔を覗き込む。

「ねぇ、ディー。教えてちょうだい。何がそんなに大変なの?」
「そうそう、ダム。達理由を知りたいんだけど。教えてくれるわよね?」

これでもまだ大変だとしか繰り返されなかったらアリスは双子を殴っていたかもしれない。
にっこりと気遣わしげな笑顔を浮かべつつも、の位置からは彼女の額に浮かんだ青筋がハッキリ見えた。

「ぼっ、ボスが・・・!!」「ひ、ヒヨコうさぎがっ・・・!!」

二人は顔を上げて達と視線を合わせると、震える唇で同時にそう口に出した。
良かった、どうやらアリスの鉄拳は振るわれずに済む様だ。
そう思ったその瞬間。
再び同時に上げられた台詞の内容に、とアリスの目は点にならずにはいられなかった。



「ボスがヒヨコうさぎでヒヨコうさぎがボスなんだよ!!!」
「ヒヨコうさぎがボスでボスがヒヨコうさぎなんだよ!!!」




「「―――――は?・・・・はあああああああああああああああああああああああ!!!!????」」




ボスがアイツでアイツがボスで



(END)



後書き
さぁーてと、どうしたもんだかこの設定(爆笑)これにお付き合い下さっている勇敢な姫様、
もう何と申しますか、本当に本当に有難うございます!!
キャラとヒロイン入れ替わりとかはよく見ますけど、こう言うのってきっとない?かな(多分)
私の書くハトアリ夢の明日はどっちだ・・・?(別に変わり種サイトを狙ってる訳じゃないんです)
でもでも妄想している間、凄く楽しかったです。
ではでは、次もお付き合い頂けることを願いつつ、失礼致します。