本当に言いたいのは、こんな事じゃないのに

ああ、ああ、ああ、ああああああ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こんな状況、想定外だわ。


「俺、あんたのこと本気で好きだ!大好きだぜ、!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アリガトウ、エリオット。」

うっとり、キラッキラな表情のエリオット。
彼の目元はほんのり赤く染まっていて、
目に鮮やかなオレンジ色の髪から突き出た2本のウサ耳が、
その心情を現すようにぴこぴこ動いている。
は機械的な笑顔と機械的な発音で言葉を返した。

生で体験してる今なら、はブラッドやアリスの心境がよく分かる。
このキラキラは無防備に信頼や好意を示しまくっていて、
向けられている人間としてはある種の攻撃に近い物があった。
犬だ。
確かに、今、この時、エリオットは彼の望んだとおり、犬に成れている。
犬、と言うか、犬ッコロ。
犬の尻尾があれば、間違いなくパタパタと言う効果音と一緒に振り回していると断言できる。

「今度あんたをにんじん料理のフルコースが最高の店に連れてってやるよ。
あそこの料理は絶品だ、あんたもきっと気に入るぜ。」
「ウン、タノシミニシテル。」

違う。
違う、違う、違う。
はこんなことを言いに(と言うか言われに)来た訳じゃない。
来たと言うより、通りすがったというべきか、
とにかくはこんな会話をする為にここを通った訳じゃ断じてない。
そう、は単に普通にここのお風呂に行く途中だった。
そこをエリオットに捕まり、今に至る。
さっさとそう言い出してしまおうと思ってるのに、好きだ好きだと連呼され、
更にきらきらオーラを浴びせられて、言うに言えない状況だった。
いや、だってエリオットは好きだし、
彼の嫌がるあのウサ耳だって全力でグリグリ撫で回したい程可愛いとも思ってる。
だけど、このキラッキラ攻撃は、やっぱりいつ浴びても慣れないものがあった。
因みに、がこんなことを考えている間も彼は輝く煌きビームをに向けて発している。


「ブラッドもアリスも最高にいい奴で大好きだが、
あんたは俺にとってにんじん料理フルコースと同じくらい、いや、それ以上に最高の女なんだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アハハハハハハ・・・。」


微妙過ぎるし!!!!!!


獣系ではないにはそうとしか思えなかったけど、
エリオットにしては最上級の言葉だったらしく、彼は更に目許付近を赤くして、
耳を照れ照れと動かした。

ああ、もう、これは、これは言ってしまうしかない。
言おう、そろそろ本気、お風呂に行きたい。


「あのね、エリオット、話の腰を折って申し訳ないんだけど・・・、
その、お風呂に入りに行きくて。」
「何?風呂にか?」
「そうそう、だからさ、悪いんだけどこれで―――」
「よし!じゃあ早く行こうぜ!俺は支度出来てないけど、
行く途中でメイドにでも頼みゃいいしな!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい!?」

何だ。
何だ。
何なんだ!?
これ、え!?ちょっと待ってよ!?

エリオットの返事。
思いもかけない台詞に、一瞬目が点になる
おかしい、絶対おかしい方向に転がろうとしてる。

「ごめんな、俺、あんたが風呂に行く途中だなんて知らなくてさ。
お詫びに俺があんたの背中流してやるぜ!
そうと決まれば大浴場に移動しないとな。」


そうと決まってないから!!!!!!!!!!


「ちょっ・・・!エリオット、違う、違う違う!は・・・!」
「いいって、遠慮するなよ、。お前から風呂に誘ってくれるなんて俺、本当に嬉しいぜ。」


の言葉を全く無視し、彼はの腕を掴んで大浴場へと向かって歩いていく。
足を踏ん張って留まろうにも、エリオットの力に敵うわけも無く、
ずるずる、ずるずるとは引きずられた。



「違うってんだろうがっ!!エリオット!!」
「はははっ!俺、やっぱりあんたのことが大好きだぜ、!」


(終わり)


後書き
エリオット攻略途中で突発的に思い浮かんだネタです。
エリオットはお馬鹿過ぎて可愛い!大好きです。
彼でもっとこう甘い系の物を書ける様に精進したい。
ではでは、ここまでのお付き合い、誠に有り難うございます。
貴重な姫様に感謝しつつ、失礼します。