「そうだね、兄弟。本当に驚きだよ。だけどボスの方はまだいい方じゃないかな?兄弟。
だって相手はあのお姉さんだ、ロリコンって言ってもお姉さん相手なら仕方がないと思うよ、兄弟。」
「それは言えてるね、僕もそう思うよ兄弟。お姉さん相手なら仕方ない。お姉さんなら納得だよね、兄弟。」
「ああそうさ、ボスがお姉さんと結婚しちゃったのも頷ける。凄く悲しいし悔しいけれど頷けるよ。」
「うん、その通りだよ、兄弟。・・・・・・だけどバカうさぎの方はどう思う?兄弟。」
「僕なら御免だよ、兄弟。お金を積まれたら考えてあげてもいいけど、それ以外じゃ手を出そうとも思えない相手だ。」
「僕も御免だよ、兄弟。あんな幼児体型で男みたいなヤツと付き合っているなんて、
ヒヨコうさぎは本当に救いようのない馬鹿だね、兄弟。」
「うんうん、まったくだよ兄弟。」
門番の双子はそこで互いに視線を合わせて何度も何度も頷き合った。
そして彼らはようやくチラリとに視線を寄こし、
さもたった今の存在に気付いたかのように大げさに瞳を見開いて見せた。
「あれ?!いつの間にそこに居たの?僕たち全然気付かなかったよ!ねぇ、兄弟。」
「うん、全然気付かなかった。ちっとも気付かなかったよ。
突然現れるから驚いて斬り殺しそうになっちゃった!」
言いざま、奴らはに向かって突き出した大きな斧を目の前でぶんぶんと振り回す。
軽い威嚇のつもりらしい。
まったくわざとらしいヤツらだ。
次に続く言葉も予想はついている。
「あんまり小さいから見えなかったんだ!」
「そうそう、あんまり小さすぎて見えなかったんだよね!」
くすくす、くすくす。
小さな笑い声を立てながら、合わせ鏡の様な容姿の二人はを見てそう続けた。
予想通りの発言。
分かり易くて結構。
「キミらとの身長差は7センチ程だったと思うんだけどな。
背が低い内に入る自覚はあるが、視界に入らない大きさじゃないだろう。」
溜息交じりにそう返すに、それぞれ赤と青の瞳をこちらに向ける双子。
彼らは左右対称の片手を腰に当て、顎を僅かにあげてを見下ろすような形を取った。
「7センチも違えば十分だろ。十分小さい範囲だよ。
視界に入らない位に小さい。そうだよね?兄弟。」
「そうだよ、十分に小さい範囲だ。視界の片隅にだって入らないよ。
札束の厚さが7センチあれば十分な金額になる筈だからね。凄い差だよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
全く説得力のない言い分だ。
と言うより、寧ろダムの言っている内容は意味が分からない。
明らかに彼自身にしか分からない見解だ。
「特にあのバカうさぎと並んだら親子にしか見えないよね。」
「恋人には絶対に見えないよ。間違っても見えないね。」
「・・・・まぁ、そうだろうな。」
続けて双子から告げられた台詞に反抗することなくは大人しく肯定した。
それはそうだ。
全く否定できない。
悲しいほどに。
だが、彼らはそれが逆にご不満だったらしい、いかにも嫌そうに顔を顰めている。
「開き直るなよ。」
「そうだよ、開き直らないでよ。」
「別に開き直ってる訳じゃない。事実だから肯定しただけだ。」
傍目にとエリオットが並んで歩いているのを見て恋人同士だと分かる人間はそうはいないだろう。
多少の身長差なら分かる人間には分かるだろうが、生憎と『多少』で済ませられるほど可愛らしい差ではない。
彼らの言う通り、後姿だけを見れば親子だと間違われてしまう程度の身長の差はあると言える。
(当然、にうさぎ耳はないので、あくまで身長差のみに目を向けた場合だ)
否定したところで全く意味がない。
「・・・自覚があるのに付き合っているなんて、バカなヤツ。」
「バカうさぎなんかと付き合っているから、元々バカなのにもっとバカになっちゃうんだ。」
「・・・・・・・・・、キミら、結局に何が言いたいんだ?
用がないならそろそろを中に入れて欲しいんだが。」
言いながら、門の中へと足を踏み入れようと一歩、が歩を進めた、その時。
―――ガッ・・・キンッ
鼻先であの黒く大きな斧がクロスされ、通行を阻止される。
「・・・・・・・・・・・・・、まだ、何か言い足りないのか?」
は深々と溜息を吐くと、双子に交互に視線を向けた。
「バカを治したいならもっとまともな相手と付き合うべきだよ。」
「そうだよ。まあ、限度があるかもしれないけれど、今よりは絶対マシには成れるはずだよ。」
「本当は頼まれたって嫌だけど、バカを治す手助け位してやった方が僕らの為にもなるしね。」
「うん、本当はお金を積まれなければ考えたくもないけど、屋敷内にバカが二人もいるのは苦痛だもんね。」
「・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・??どう言う意味だ?」
いつものことだが、彼らの言っている内容は全く理解できない。
と言うよりも、この場合、全く要領を得ない。
肝心な部分をハッキリ口にしないせいで全ての台詞の内容が掴めないのだ。
が怪訝な表情を浮かべると、二人は揃って眉間にしわを寄せた。
「ここまで言っても分からないなんてやっぱりバカだ!バカ女だ!」
「本当に信じがたいよ。ここまで来るとムカついちゃうね!」
「・・・・・・・、どうでもいいが、は本当に屋敷に戻りたい。ブラッドに呼ばれているんだ。」
の言葉に二人が同時に反応を示す。
「「それを早く言いなよ。」」
それから彼らは互いに視線で会話を交わした後、長く深いため息を吐き、
明らかに不承不承と言った形でに道を開けた。
―――――――ギィイイイ
それと同じくして屋敷の重い門が開く。
はようやく屋敷の敷地内に足を踏み入れる事が出来た。
時間は余りない。
次の時間帯にはエリオットが戻ってくるはずだ。
彼が帰ってくるより早く、ブラッドとの用事を済ませてしまわねばならない。
は双子に軽く挨拶を済ませると、殆ど小走りでブラッドの部屋を目指した。
結局のところ、双子達がに何を言いたかったのかは全くもって謎だが、
恐らくはそれ程重要な事ではないに違いない。
彼らが忘れていなければ、次の機会にでも向こうからまた話を持ち出してくるだろう。
そこでは双子達とのやり取りについて考えるのを止め、先ほどよりも走る速度を上げた。
「・・・・・・・、バカな上に鈍感な女は嫌いだよ。ねぇ、兄弟?」
「・・・・・・・、そうだよね、バカな上に鈍感な女なんて最悪だよね、兄弟。」
「アイツなんか嫌いだよ。」
「アイツなんか大嫌いだよ。」
僕らの物にならないお前なんか、大嫌いだ。
(END)
エリオット夢なのにエリオットが登場しないシリーズ夢(笑)
好きな子は苛めたいと言う子供の心理的な感じで進めてみました。
アリスのお相手の時の双子はとにかくお姉さん大好き!な感じだったんで。
今回のヒロインは、喋り方が男前なのに身長は低いお姉さん(笑)
青年口調なヒロインは、お相手キャラによって書きやすい場合と書きにくい場合と凄く差が出ます。
今回は名前変換が一回しかなくて申し訳ないです。
ではでは、ここまでお付き合い下さった姫様、度癖のある話に興味を抱いて頂き、誠に有難うございます!
溢れんばかりの感謝の気持ちを表しつつ、失礼致します。