「君はとても純粋で真っ白なコだと思うぜ。」
「・・・・・・・・・・っ、え?」
「でも綺麗な物や純粋な物ってさ、見ているだけで憎らしくなるんだよな。」
―――ザクリ。
地面に強引に横たえられたの頬をわざと掠めるようにして、エースは自身の剣を土に突き立てた。
それと同時にツゥ、と、彼女の肌に赤い線が入る。
恐怖に怯えた瞳を上げるの視線の先。
エースはにっこりと常と同様の曇りのない笑顔を向けていた。
しかし、その瞳の奥には言いようのない暗い闇が広がっている。
「俺はね、、君が大嫌いなんだ。初めて君に出会った時からずっと変わらず君が嫌いだ。」
「エースさん・・・・・・、どうして・・・ですか?、・・・・・・・!」
「あはははっ!どうして?たった今俺がその理由を言ったのに、君って頭が悪いコだったんだなぁ。」
言いざま、エースは体を震わせながらも抵抗を示そうとしたの両腕を素早く片手で拘束した。
その力の強さに、彼女は一瞬苦しげに眉を寄せる。
「つっ、エースさんっ・・・、放して下さい!」
「それは聞けないお願いだな。大嫌いな君の言う事なんか、俺が聞く必要はないだろ?」
の耳元で囁くようにそう告げた彼は、再び笑みを浮かべる。
先程のものと同様、ぞっとするほどに完璧な曇りのない笑顔だった。
「・・・これから俺が君に何をするのか、・・・それを教えてあげようか?」
「・・・・・っ!?」
の頬をエースの舌の濡れた感触がゆっくりと這う。
つい先刻、彼が地面に剣を突き立てた際に出来た、彼女の頬の傷を辿る様に。
ぬるく湿った吐息がの肌に直接吹きかかり、彼女は恐怖とは違う種類の感覚に僅かに身を震わせた。
「・・・・・・・真っ白なものを黒く染め上げるのって・・・、きっと気分がいいぜ。」
「エースさん・・・・・・・・・?」
小刻みに震える唇では彼の名を呼び、問い返す。
恐怖で竦んだ体は、既に抵抗の意思を無くしてしまっている。
否。
彼女は既に自身の奥に潜むこの赤い騎士への想いに気付いていた。
を憎んでいるとすら口にしたこの男への、不毛で哀しい想いに。
それ故に、彼女は抵抗する事が出来ないで居るのだった。
「俺が君を汚してあげる。
・・・・・・・・二度と戻れない所まで堕ちちゃえば、君も少しは見られる人間になるかもしれないぜ?」
微笑を浮かべたエースの瞳には、底の見えない暗い穴の様な闇が広がって見えた。
そして同時に、深い悲しみとも寂しさとも呼べる感情が滲んでいる様にも、には見えたのだった。
なぁ、約束する。この世界で一番君を憎んでるこの俺が、君を一番深い闇の底まで突き落とすよ。
いびつに歪んだ恋心。
騎士と少女の暗い縁
(END)
アトガキ
ぶおうう!予想通り物凄くダークな物が出来あがってしまいました(苦笑)
だってエースなら絶対こうなると思うんですもの。
愛憎は表裏一体とも申しますしね。はっはっは・・・(・・・)
でもクローバーの時の安定してないエースならこれ位本当にやると思うのです。
つーかかなーり久しぶりに書いたエース夢がこれって・・・。
では、ここまでお付き合い下さった姫様、誠に誠に有難うございます!失礼します。