優しくて甘い。

ゆっくりとを押し倒す真琴を両腕を伸ばして受け入れながら、瞼を下ろした。
それとほぼ同じタイミングで彼の唇がの唇に重なる。
達の体重が完全にベッドにかかりきると、微かにスプリングが悲鳴に近い音を響かせる。
真琴はやわらかく触れ合うだけのキスを何度か繰り返した後、
舌でぬらりとの唇を割ってそれを口内に侵入させた。
濡れた独特の弾力のある舌が、まるでくすぐるみたいにの口腔を這い回る。
キスの上手い下手なんて分からないけど、彼のキスはいつも甘ったるくて、
溶けてしまいそうな錯覚を起こさせる。


「は、・・・
「・・・ふ・・・」


お互いの湿った吐息が喉を満たして、温い唾液が口内で少しずつ増えていき、
粘着質な水音が聞こえ始めた。
合間に囁くようにの名前を呼んだ真琴の声が信じられない位甘さを帯びている。
彼は自分の口の端を伝う雫をぺろりと舐め取った。
その仕草さえ色っぽくてどきどきする。
真琴の骨ばった手がのわき腹を撫でる様に動いて、Tシャツの下から入り込んできた。
直に肌に触れてくるその掌はあくまでも優しい。
スカートは既に捲れて下着が殆ど見えてしまっているのその部分に、
真琴の下半身が意図せず押し付けられてきた。
太股に当たる彼の長い脚の筋肉の感触。
だけどそれとは別に、彼のものが硬くなり始めてることに気付いてしまった。
それに反応して自分の体に中心が妙な切なさと疼きを訴え始める。
呼吸が心音と同じように速度を増した。
の心の中で嬉しさを含んだ恥ずかしさと期待、それからほんの少しの不安とが混ざり合う。
真琴とこういうことをするのは初めてじゃないけど、間が空くとやっぱり緊張する。
無意識に体が小刻みに震えてきた。
それが彼にも伝わったのか、不意に真琴はそこで手を止めた。
そして、いつもよりも一層目元を下げて困ったような表情を浮かべている。


「ごめん」
「え?」
「俺ががっつきすぎちゃって・・・、もしかして怖い?」
「あ、そうじゃない・・・!その、き、緊張してるだけ」


続けて!
と口にしようとしてさすがにそれは止めた。
それじゃあがムチャクチャ飢えてるみたいだ。
いや、実際真琴に触れられることには飢えてるけど、幾らなんでも自分からそんことは言えない。
彼は自分をがっつきすぎだと言ったけど、を扱う手はあくまでも優しいし、
そんな風にはまったく思えなかった。


「緊張、か。・・・実は俺もしてる」
「・・・え?そ、そうなの?」
「うん。えーっと・・・ブラのホック外すのにさっきから手こずってるって気付いてたかな?」
「ぶふっ」

は思わず今のムードに全く相応しくない吹き出し方をしてしまった。
相応しくないどころかぶち壊しだ。
大体今は吹き出す場面じゃない。
だけど真琴もちいさく苦笑して見せた。


「ははっ、手が震えちゃって、ごめん」
「ううん、えっと・・・自分で、は、外そうか?」
「・・・いや、俺が外すから、一旦起きて貰っていい?」
「分かった」


お互いぎくしゃくした動きでベッドから上半身を起こした。
いつもはこんなに会話が多いわけじゃないのに、緊張してるせいか無駄に話しをしてる気がする。
揃ってベッドの上に座る形で体を起こし、真琴はまずのTシャツを脱がすと、
抱きしめるように腕を回しての頭上から背中のブラのホックを確認しつつ、それをぷちりと外した。


「・・・っ」


まだ夕方位だから室内の電気を消してても薄っすらと明るい。
こんな中で肌を見せるのはやっぱりちょっと恥ずかしくて、は咄嗟に胸元を隠していた。
真琴はその様子にクスリと笑って見せた後、自分もTシャツを脱ぎ捨てる。
ビックリするほど完成された逞しい体に一瞬の目が釘付けになった。
彼の体を見るのは初めてじゃないのに、毎回は見蕩れてしまう。


「あはは、やっぱなんか照れるね」
「あ、ごめん、ジロジロ見ちゃって」
「いや、それはいいんだけど。って言うかそれ、普通男のセリフじゃないか?」
「かもね」


それから達はお互い小さく声を立てて笑いあった。
そして、不意に視線が絡み合ったところで、真琴がの体を抱きしめる。
直接密着すると、相手の肌が吸い付いてくるみたいな感覚があった。
も真琴も、少し汗ばんでるのが分かる。
さっき目にしたばかりの彼の裸の厚い胸板で、
の胸が押し潰されてその先端が彼の肌で擦れていた。
体温が、ゆっくり、だけど確実に上昇していく。


とこうしてると、凄く気持ちイイって思うよ・・・」
「う、うん」
「でもごめん、俺はやっぱり、これで十分だって思えないから、
もっとに触れたいし、抱きしめたい」
、・・・も・・・」


そこで小さく頷いたの方へ、真琴が顔を寄せてきた。
そのまま達は見詰め合った状態のまま、静かに唇を重ねる。
優しくて甘い。
ふと視線を上げた先。
窓のカーテンの隙間から、夕暮れ時の空が見えた。
もくもくとそそり立つ雲が、夕日で赤く染まっている。
昼間の青とはまた違う綺麗な景色。


は幸せな気持ちで満たされながら、再び目を閉じた―――


(END)



珍しく短くなったのはストーリー的な流れ全くないワンシーンだからですね 笑。
R15にした割に全く大したことなくてすみません。
微エロ未満的な、でもシーンとしてはちょっとアレなのでR15ってことに。
最後なんか少女マンガなふわふわした感じに終わってますけど、
結局そのあと致すんだろうっていう(笑)。毎度の事ながら手前までは書けるんですが、
裏書こうとした途端筆が止まるのでこんな形で終わりました。
真琴の体素晴らしすぎて本当に参るよね。
では、ここまでお付き合い下さった姫様に深く深く感謝しつつ、失礼します。
ちょっとコメ頂いて調子こいて書いた単純なものです\(^O^)/
ありがとうございました〜