患ってゆくしあわせ
胸もケツもねぇ上に、しかも俺より年上だと!?
ハッ!笑わせやがるぜ!お前なんざいいとこ15,6のケツの青いガキだ!!ガキ!!
それとも日本人の女ってのは皆そうなのか!?アア!?
「・・・・・・・・」
―――――――――ザクリッ・・・!!ザックザッザッ・・・
「ドチクショウ・・・・!」
言いたい放題言ってくれるじゃないか、イヴァンの奴!イヴァンの奴!イヴァンの奴め!!!
――――――――ザクザク・・・ッ。
「・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
人が気にしてる事を毎度毎度ズケズケずけずけと・・・!!
――――――――ザクザクッ・・・ザッ。
「おい、」
大体ねぇ、胸もケツもない・・・!?
「はっはっは!!あるよ!あるし!男装してるからわざと抑えてるんだっつの!!」
――――――――ザクザクザクッ!!!
「おいおい、いい加減そろそろその辺でやめておけ、・・・って、もう原型留めてないな、それは」
「・・・・・・・・・・へ?」
不意に肩に伸ばされた手で、はそこでやっと我に返った。
の片手に握ってるのはフォーク。
そして目の前にはついさっきまで見た目も可愛らしくて美味しそうだった筈の、
モンブランが見るも無残な姿で皿の上に乗っていた。
いや、乗っていたと言うよりは、何だかもう張り付いていた。
アルプス山脈どころか荒れ地みたいになっている。
そして周囲には生クリームと栗の甘い匂いが広がっていた。
「あ"あ"あ"っ!!」
「ははは・・・、どうやら止めるのが遅かったらしいな。
声を掛けるよりもっと早く直接止めておけば良かったか」
の肩に軽く手を触れていたベルナルドがそう言って苦笑する。
は絶望的な気分でモンブランを見詰め、ガックリと肩を落とした。
「ああー・・・、サイアク。・・・あ、ベルナルドは全然悪くないから。
ごめん、折角の為に用意してくれたのに、行儀悪いどころじゃないね」
「いや・・・まぁ、それはいいんだが・・・。
随分と御機嫌斜めだな?もしかして、またイヴァンとやり合ったのか?」
「・・・・・・・・・・・・まぁね」
短く返事をし、は既にモンブランと呼ぶには余りに余りな残骸にフォークを伸ばす。
と言っても、これはもう突き刺して食べる事は不可能だ。
仕方ないのではフォークをスプーン代わりに使用する事にした。
「、待ってろ、今新しいのを持ってこさせる」
「あ、いい!これ食べるから!・・・・・・・てっかホントごめんなさい・・・」
形はそりゃもうぼろぼろだけど、元はと言えば無意識だったとは言え、
ケーキを突き刺しまくってメチャクチャにしたのは自身だ。
しかもの為にわざわざベルナルドが用意してくれてたってのに、
色んな意味で失礼なこと極まりない。
はズタボロの元モンブランをどうにか口に運んで食べた。
アルプス山脈どころか平地に近い状態になってはいたけど、
さすがに一流のパスティチェーレが作っただけあって味は最高だ。
でも勿論、綺麗な形のまま食べた方がもっと美味しかったに決まってる。
「今度は何を言われたんだ?」
「・・・えっ!?ああ、・・・その、いつも言われてる事と同じ。・・・胸もケツもない、チビガキだって」
「・・・・・・・・・・・・」
「いや、うん、そう言うのにいちいち反応するのがガキなんだって分かってるんだけどさ、
レベル低すぎると思うんだけど、分かってるんだけど!・・・やっぱムカツク!」
23にもなって本当にそれこそ子供同士の喧嘩かって感じなのは分かってるつもりだ。
それでも毎度毎度顔を合わす度にあんな風に言われるとやっぱり腹が立つ。
まぁ、ある意味図星と言うか、気にしてることだからなんだけど。
大体、仕方ないとは言え、特にCR:5達の周囲に居る女性達のレベルが高すぎるのだ。
たまにルキーノ辺りが連れてる女の人を見ると、
人種の違い以前に本当にが彼女達と同じ女と言う括りにされていいものか激しく疑問を抱いてしまう。
普段自身が男装してることもあって、
スタイルの良さや華やかさはその辺を歩いてる一般人さえ羨ましいと思う場合もあるし、
何よりがそう言ったあれこれを一番気にしてる理由はベルナルドにあった。
スタイルがどうこうって話になっていつも真っ先に思い浮かぶのは、
上品な顔立ちの、綺麗な綺麗な歌姫。
すらりとしたスレンダーな体つき、ほっそりした長い手足に、白い肌。
ドレスの胸元から覗いた形のいい膨らみ、綺麗に整ったしなやかな腰。
なんかよりずっと落ち着いた、大人の色気を持った女性。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
まだ珈琲を飲んでも居ないのに、不意に口の中の甘いモンブランが酷く苦いものに変わった。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、何?」
「俺は今のお前で十分魅力的だと思ってるよ、ベイビー?
・・・・・・・・・・本当に、お前の体は・・・今のままでも十分に俺を興奮させてくれる・・・」
さっきまでソファの傍に立っていたベルナルドがいつの間にかの隣に腰かけ、
更に片手での頬に触れてそんなことを囁いて来た。
は思わず反射的に身を引く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、いやいやいや、ベルナルド!?何を突然!?」
「お前が胸もケツもないただのチビガキなんかじゃないのは、この俺がよーーく知ってる。
それを証明しようと思ってね」
言いざま、ベルナルドの舌がの唇をねっとりと通過した。
そのやわらかく濡れた感触にビクリと無意識に体が僅かに震える。
しかも気付けばの腰の辺りは彼にガッチリ抑え込まれていた。
そう言えばさっきから発言がそこはかとなくエロ親父だ。
いや、違った。
そこはかどころかハッキリしっかりエロ親父だ。
間違いない。
寧ろ気付くのが遅すぎた。
コイツ、スイッチハイッテヤガル!!!
「いえ、結構です。証明して下さらなくても、
自分で自分の体の事はよーーーーく分かっているので!」
「いやいや、お前はより一層自分を知る必要があると思うね。
イヴァンの奴の言葉になんか負けない為にもここは俺がじっくりレクチャーしよう。
勿論・・・お互いの体で・・・・・・・・・ね・・・」
あくまでも自然な流れの様にの上に覆い被さって来たベルナルドが、そう言って耳朶を甘く食んだ。
同時に湿った吐息がの鼓膜をくすぐり、
耳朶を執拗に甘噛みする感触にぞくりと背中を何かが駆けあがる。
いやいやいや!!いやいやいやいや!!
展開がおかしいよね!?おかしすぎるよね!?
モンブランを突き刺しまくって荒れてた女の一体何にこんな反応を示してるんだろう、この人は。
毎度ベルナルドのこの展開には全くついていけない。
しかも無駄にこの手の経験値が高いとみられる彼は、妙に手際が良くて、
こんなことを考えている間にも着々とことが進められてしまっている。
シャツの下から滑り込んで来た骨ばった手が直に肌を撫で回り、
の首筋に顔を埋めたベルナルドの長い髪があちこちをくすぐった。
汗ばんだ掌の温度で彼の指に嵌められたリングまで熱を持ってる様な気がする。
熱い舌と唇が鎖骨の周辺を這っている感覚に、それだけでは息が上がりそうになった。
「っ、・・・ま、ベルっナルド!」
「ほら、お前の胸はこんなにやわらかい・・・、感じるだろ?
こう言うのはね、大きさの問題じゃないんだ・・・。感度と・・・相性もあるな・・・」
下着を器用に取り去ったベルナルドがの胸元を長い指と掌で弄びながら、
低く熱のこもった声で囁く。
圧し掛かって、押し付けられた彼の下半身がの太股に密着し、
その昂ぶりをそりゃもうビックリする位に分かり易くに教えてくれていた。
「いいっ、も、レクチャー、いらないから・・・!」
「いやいや、遠慮はいらないよ・・・。と言うより、悪いね・・・もう俺の方が止まらない・・・」
湿った吐息交じりの声でそう言ったベルナルドが、
またまたまたしても手際よくのズボンのボタンを外し、チャックを下ろす。
そして彼は何の躊躇いもなくの下着の中に自分の手を侵入させた。
更に声を上げようとした所で、ベルナルドがのその口を自分の口で塞ぎにかかる。
開きかけていた唇からぬるりと舌が入り込み、文字通りは言葉を発する事が出来なくなった。
「君の体が如何に魅力的か理解できたかな?」
「・・・全然!!その代わりベルナルドがエロ魔人だと言う事はよーく分かったけどね!」
上質とは言え、二人で一緒に横になるには狭いソファの上。
はベルナルドの腕の中でそう憎まれ口を叩いた。
あれからどの位時間が経ったのか確認できないけど、
一時間やそこらじゃ済まなかったのは確かだった。
お互い殆ど裸に近い状態だけど、密着した部分は未だに熱を持って汗ばんでて、今のところ寒さは感じない。
「ハハハッ・・・、それだけ俺がお前に夢中だって事さ、。
・・・・・・・・・だから自分を他の誰かと比べるのはもう止めろ。お前はお前だ。
俺は、今のままのお前が好きなんだよ」
軽い口調とは裏腹に、間近に覗き込んだ眼鏡の奥のベルナルドの瞳は酷く真剣だった。
瞬間。
――――――――ドクリッ。
の心臓が大きく跳ねる
この人は、分かってたんだ、が・・・・・・・・・・。
「ベルナルド」
「ん?何だい?」
いつもは滅多いに口に出来ないけど、今なら言える気がする。
は性格的にもシャイ過ぎる日本人な訳で、情熱的なイタリア人には敵わないけど。
それでも、今は言わずには居られない。
多分、と言うか確実に後から一人で恥ずかしさの嵐に襲われる事は間違いないだろう。
この時の自分を回想して、ぎゃーぎゃー騒いでしまう可能性も大いに有る。
ベルナルドはの次の言葉を待って、至近距離からジッとこっちを見詰めていた。
緊張とこれから口にする内容の恥ずかしさで、喉の奥が干からびてく。
日本人なには、余りにも赤面ものの言葉だ。
それでも。
だからこそ。
「Ti amo.」(愛してる)
今から言おうとしてるこの言葉をの口から聞いたら、
あんたはどんな顔をするんだろうか。
それが少しだけ不安で、でもそれ以上に、楽しみでもあった。
(END)
アトガキ
お初・LD夢はベルナルドでしたー。ってやっちまった感が拭えませんが(笑)。
学ヘヴ、咎狗に続きまたしてもBLゲで女主と言う懲りない奴です。
そしてスランプ入ってるのにチャレンジした結果、
何か糖分配合値と微エロ要素が微妙なことに!読み返すのが辛い甘さかもしれんなぁ(苦笑)。
でも取りあえずはベルナルドにエロは付きもの(←・・・)だと思いまして。
同じネタ使い回しで他キャラも書けたらと思ってますが、予定は未定(いつものこと)。
ではでは、ドマイナーなこと間違いなしなこの夢に興味を持って下さった姫様に激しく感謝しつつ、
失礼致します。本当に有難うございましたvv。