恋をしていますありがとう!


「いえ、あの!本当に帰りますから!もうすぐ終電の時間なんで!」
「そう言わないで、オレがちゃんと送って行くって」
「いやいやいやいや、結構です!さっきも言いましたけど、
は単なる数合わせの人間なんで、ホント、気にしないで下さい」


と言うか頼むから寧ろ放っておいて欲しい。
お願いだからこのままを駅に向かわせてくれ。
とある居酒屋前の道の片隅。
はかれこれ10分ほど目の前のK君(名前すら覚えてない)と同じような押し問答を繰り返してる。
因みに、彼は友達の友達が主催した合コンの参加者。
はこの現場に来て初めてこれが合コンだと知らされたある意味被害者。
合コンなんて社会人になってからは特に縁がなかったから、この世界に来て学生に戻って、
そう言うお誘いが何度かあったし、勿論興味がなかった訳じゃない。
こっちに来たばかりの頃のなら、騙されて連れて来られた感が否めないと思ったとしても、
それならそれで楽しんでしまえと思ってたかもしれない。
だけど、今のはどうしてもそんな気分になれなくて、
更に合コンに参加してた男子達のやけにギラギラした態度にも引き気味だった。
で、とにかく何か理由を付けてさっさと退散しようと思ってたんだけど、
結局引き止められまくって、気付けば終電に乗るしかないと言う時間帯。
それでも早めに席を立って強引に引き止めようとするメンバー達から必死に逃走し、
やっと店外に出られたと思った直後にこのK君に捕まってしまったって訳だ。
時間に余裕を持って席を立ったとはいえ、このままだと本気で終電を逃してしまう。
隣駅だから最悪タクると言う選択肢もないではないけど、こちとら今は大学生、
余計な出費は避けたい。
そうでなくとも楽しいとは言えない合コンにこの時間までズルズルと付き合うことになったんだし、
いい加減解放してもらいたいところだ。
K君はアルコールが入ってるせいもあるんだろうが、中々しつこい奴だった。


「分かった、じゃあ今からオレがキミんちまで送る。一緒に駅まで行こ?それならいいよね?」


全くちっとも良くないし!!


そろそろ手が出てしまいそうになる位には苛々してた。
ちらりと手元のケータイに視線を落とすと、さすがに早いとこここを離れないと終電に間に合いそうにない。
これはもう強硬手段で猛ダッシュで逃走を図るしかないんだろうか。


もう一回。
もう一回だけ、一人で帰るって言って、聞いてくれなかったら本当にやっちまおう。


こっちは殆ど騙された身の上だし、相手は友達の友達の友達という、
にして見れば知人でもなんでもない人間だ。
電話番号は勿論メアドだって教えてないし、大学も違う。
この先特に関わりのある人とも思えない。
とは言え、本来なら話の途中でいきなり逃げ出すなんて真似はしたくないが、今回はもう仕方ない。
は本気で駆け出すつもりだった。
K君も結構酔ってるけど、だって全然飲んでない訳じゃない。
下手したら途中で気持ち悪くなったりもありそうだけど、終電に間に合わないってのはやっぱ避けたい。


「あの、もう本当に帰―――」


せめてもう一回だけハッキリ相手に言ってからにしようと決めて、がそう言い掛けた、その時だった。


、まだお店の前に居たの?約束してた場所に居なかったから、迎えに来ちゃったよ」
「っ!?」


の背後から聞き覚えのある男の人の声が降って来た。
同時に、最近何だか嗅ぎ慣れてしまった男物の香水の匂いが鼻を掠める。
驚いて振り返るのすぐ後ろに、イッキの姿があった。


「イッ・・・、イッキさん!?なんっ・・・」


何でここに!?と言う台詞をが続けるより先に、
イッキはの肩に軽く手を乗せるとそっと自分の方に引き寄せた。
の体が軽く彼の体と接触する。
こんな時だってのに、その瞬間にの心臓が大きく跳ねた。



「悪いけど、このコは僕と一緒に帰る約束をしてるんだ。
早くしないと終電にも間に合わないし、解放して貰っていいかな」


イッキはいつもより僅かに冷たい口調でを引き止めていたK君に向けて言った。


「・・・、数合わせって、男が居るって意味かよ・・・」


イッキの様子に気圧されたのか、
K君は不機嫌ながらもどこかびくびくした表情でそう言い残し、
そのまま足早にまた居酒屋の中へと戻って行った。
はそれを呆然としつつホッとしながら見送った後、
再度、慌てて背後のイッキに視線を向ける。


「イッキさん、ありがとうございました。でも、何でここに・・・!?」
「あぁ、あっちのね、角曲がった所のバーで飲んでたんだよ。
それで終電も近くなったから駅に向かおうと思ってこの前を通ったら、
丁度君の後姿が見えたから声をかけようと思って近づいたんだ。
そしたら何だか困っているみたいだったから」
「後ろ姿・・・、よく分かりましたね。でも本当に助かりました、ありがとうございます」


言って、は彼に向かってペコリと頭を下げる。
本当に助かった。
最悪猛ダッシュであのK君から逃げるつもりだったし、
と言うかもうその手しかないと踏んでそうする直前だった。
とは言え、食事してお酒飲んだ後の猛ダッシュなんてその後のダメージは結構なもんだっただろう。
何より成功するのかも微妙なところだった。


「いいよ、お礼なんて。本当に偶然通りかかっただけなんだからさ。
それより取り合えずここから離れようか。店の前だと万が一さっきの男の子にバレると面倒でしょ」
「はい、了解です」


イッキの言うことは最もだったので、達はまずは揃ってここから移動することにした。



◇◆◇



「・・・すみません」
「どうして君が謝るの?」
「だって、のせいでイッキさんまで終電逃したんだし」


そう、結局達は揃って終電に乗ることが出来なかった。
理由は簡単。
がK君への対応に手間取りすぎたからだ。
んで、イッキは明らかにその巻き添え。
とイッキが駅に向かおうとした時には既に終電は出てしまった後だった。
のことがなくて、バーから出て真っ直ぐ駅に向かってたら彼はきっと終電を逃さずに済んでたはず。
仕方がないので達二人は取り合えず当初の予定通り駅前まで移動して、
そこでタクシーを捕まえることにした。


「別に気にしてないよ。って言うか、君を助けたのは僕の意思だし、
もしも終電に乗れなくなるって分かってても、
君をあのまま放って行ったりしたくなかったしね」


微笑みながらさらりとそんなことをのたまうイッキ。
この人の口説き文句とか優しい言葉はだけに向けられてるもんじゃないってのは十分分かってるのに、
こんな表情をされると身の程知らずにも少し期待しそうになってしまう。
イッキがトーマの代わりに急遽バイトに入り、その日に二人で帰ったのが約2週間位前。
あの日以来、イッキはファンクラブの子達の目に留まらない程度に、
大学でも暇を見てに話しかけてくれるようになった。
バイトのシフトが被るときも、これまたファンクラブの女の子に気付かれないようにしつつ、
一緒に帰ろうと誘われる機会も増えた。
多分、前よりも少し彼と親しくなれてるってのはの気のせいじゃない。
だけど、ここで彼の態度を全部自分の都合のいいように取って痛い目を見るのは自身だ。
何より、イッキがを『女』として見てるようには思えなかった。


「どわっ!?」


イッキと並んで歩いてる途中に、は何もない場所で蹴躓きそうになった。
言いたかないけど、実はこういうことは珍しくない。
だからいつもはそうなってもすぐにバランスを取って終わる。
でも今回はアルコールが入ってるせいで大げさに体が傾いてしまった。


「おっと、大丈夫?」


イッキはそう言って素早くの腕を掴んでを支えてくれる。
おかげで数歩よろけた程度で済んだ。
それにしても間抜けすぎる。
そしてせめて咄嗟にきゃっとか可愛らしい声が出せれば良かったのに、
所詮にそんなものは備わってないってことだろうか。
未だにイッキの手に掴まれたままの腕の感触に必要以上にどきどきする。


「あ、ありがとうございます、大丈夫です」
「そう?でもお酒飲んでて危ないし、手、繋いでおこうか?」
「い、いえいえいえ!大丈夫です!」
「僕と手を繋ぐのはそんなに全力で否定するほどイヤなの?」


ちょっと傷付いちゃうな、と、そこで彼は苦笑した。
勿論、そんな訳がない。
でも、手なんか繋いでしまったら、きっとは緊張しまくって、
まず間違いなくその緊張をイッキに気付かれてしまう。
の気持ちなんか既にバレバレなんだろうし、
こんな反応なんてイッキにとっちゃ気にするようなことじゃないのかもしれない。
でもはまさか自分がイッキ相手にこんな甘酸っぱい反応を示すと思ってなかった。
特にあの一緒に帰った時の別れ際の頬にキスの一件以来、
は本当に彼のこととなると過剰反応しすぎだ。
イッキの目を見てる時だろうが見てない時だろうが妙に挙動不審になってしまう。


「えっと、じゃあまた躓きそうになったら・・・お願いし―――」


カツッ。


言った矢先。
いや、そう言いかけたところではまた蹴躓いた。
当然のように、何もない場所で。
本当に何かもう救いようがない。
そしてまた当然のようにイッキはを支えてくれた。


「ぷっ・・・クックック・・・、ごめん、だって君・・・、
まさかそのタイミングで本当にこけそうになっちゃうと思わなくて・・・あははっ!」
「・・・はは・・・、デスヨネー」


自分でもネタかと思ってしまった。
恥ずかしさを一瞬で通り越して遠い目になってしまう。
イッキはどうにかひとしきり笑った後、の腕を掴んでいた手をするりと移動させ、
の手に自分の掌を重ねた。


「わ゛っ!」
「どうしてそこで驚くの?君が言ったんでしょ、また躓きそうになったらって。
・・・すぐだったけど、・・・くっく・・・ごめん、もう笑わない。・・・でもいいよね?」
「・・・う、・・・はい」


自業自得だから頷いたものの、やっぱり緊張する。
何でよりによってイッキは恋人繋ぎにしたんだろう。
ぴったり密着した掌に、絡ませた指と指。
イッキの手袋越しにじわりと体温が伝わってくる。
こんな場面をファンクラブの彼女たちに見られたら本当に殺されそうだなと考えて、
画面越しとは言えそれが冗談じゃ済まされなかった時のことを思い出し、内心青くなる。
だけどそれはホントに一瞬のことだった。
すぐにまた繋いだ手や肩がぶつかりそうな位の距離に居るイッキの存在に意識が向かう。
手を繋ぐことを渋ったのは自分の癖に、もう後数分で駅前に辿り着いてしまうことを恨めしく思った。


「君って仕事の時は何持ってても危なげなく歩いてるのに、
仕事離れると途端に何もないところで蹴躓いたりぶつかったりしてるよね。
シンやトーマが不思議がってたよ」
「仕事の時は極力気を付けてるんで・・・。シンにはよく馬鹿にされますけど」
「ふふっ・・・、あれで心配してるんだよ。実は僕も最初ははらはらして見てたんだけど、
今も言ったけど、仕事中は全然心配ないみたいだったからね。
―――ねぇ・・・・・・」


そこで不意にイッキは立ち止まり、も一緒に足を止めた。


「はい?」
「この間・・・、僕がトーマの代わりにバイトに入った日、一緒に帰ったよね?
あの時僕が言った事を覚えてるかな」
「っ!」


まさかここでその話題を持ち出されるとは思わなかった。
イッキが聞いてるのがあの時のどの台詞をさしてるのかは分からないけど、
どの台詞のことだろうが、あの帰り道でのやり取りをが忘れる訳がない。
はそこでぎこちなくこくりと小さく頷いた。


「僕が背中を向けてる時にも君が僕を見てることに気付いて、
僕はそれが嬉しかったって言ったでしょ」
「・・・は、はい・・・」


「その理由・・・、あの時から・・・もしかしてそうなのかなって思ってたんだけど、
今ならハッキリ言えるよ。僕もね、君を見てたんだ・・・」
「・・・・、・・・・・・、は、はい?」
「僕もを見てたから、君が僕を見てるって分かって嬉しかった。
僕が今日あの居酒屋の前に居る君を後姿だけで誰だか分かったのは、
僕が君の後姿を見慣れてたからなんだよ」


突然持ち出された思わぬ話題と、
その後続けられた言葉には一気に混乱し始める。
ぽかんと口を開けてイッキを見上げた。


「ごめん、急にこんなこと言っても驚いちゃうよね。
でも・・・どうしても今言いたくなっちゃってさ」
「え、えっと・・・、正直、メチャクチャ驚きすぎて、頭・・・ついてってない、です」


そう返事をしている間も、は頭の中でたった今イッキが口にした台詞をリピートし、
更にその意味を理解しようとしてた。



―――僕もを見てたから、君が僕を見てるって分かって嬉しかった



既にこの十数秒で5回以上再生した言葉をもう一度頭の中で繰り返す。
イッキと手を繋いでるってことに浮かれすぎて、
自分の脳みそがまた都合よく彼の台詞を変換しないように努力する。
イッキがそれほど難解な言葉を発した訳じゃないのは分かってるけど、
それでもにはそれくらいに混乱する発言だった。


「じゃあもっと分かりやすく言った方がいいのかな。
・・・そうだね、最初からまずきちんと伝えるべきだった」


そう言って一度瞳を伏せたイッキが、再びと視線を合わせる。
街頭に照らされた彼の銀髪がさらりと流れ、アイスブルーの不思議な色の瞳がを捕らえた。
どくん、どくん、どくん。
自分の心臓の音がビックリする程大きくの鼓膜を震わせる。
でもこれがイッキの瞳の影響じゃないことをはもう知ってる。
に彼の目が効かない訳じゃなくて、多分、
途中からそれが例の力の仕業なのかの気持ちの問題なのか分からなくなってただけだ。
それがいつからなのかも分からないけど、はイッキに片思いしてたから。
緊張で小刻みに震えるの気持ちは、そのまま彼と繋いだ手から伝わってしまってるだろう。
分かってても、それを止めることなんかに出来るはずもなく。



、僕は君が好きだよ」


どっ   くんっ。


「――――――」


今度は、ついさっきイッキの言葉を聞いた瞬間に混乱した時の比じゃなかった。
一際大きくの胸の奥を心臓が叩きつけ、次の瞬間には止まったんじゃないかと思った位だ。
同時に、思考回路が完全に停止した。



「こんなに普通の恋をしたのは久しぶりだったから、自分でもすぐには気付けなかった。
君に興味があったのは確かだったけど、それはそれ以上でも以下でもなくて、
別段他の子より特別だと思ってた訳じゃないんだ。
でも、君と親しくなっていく内に、
いつもみたいに告白してきた女の子と付き合おうかなっていう気も起きなくなってきてた」



そこまで口にしてから、イッキは少し困ったように笑う。


「ねぇ気付いてる?僕、今馬鹿みたいにべらべら喋っちゃってること。
っていうかね、それどころか今スゴク緊張してて・・・手なんか震えてる・・・」
「・・・え?」


手の震え?でもこれって、、の・・・。


イッキの言葉には視線を落として彼と繋いでいる手を見た。
確かによく見て見るとの手も彼の手も震えてる。
だけどそれは、の振動がイッキに伝わってるんだと思った。
でも、違う。
これは、だけじゃなくて、イッキも震えてるからだ。


「僕も君もお酒飲んでて、その帰りにこんなこと口にしても、信じられない?」
「・・・それは・・・」


酔いなんて、とうの昔に醒めてる。
だけど、そんなこと関係なく、やっぱり余りにも予想外過ぎて、
はうまく返事をすることが出来なかった。
でもそれでも、イッキが緊張してるのも、今の告白が真剣なのも彼の表情や繋いだ手から伝わってくる。
は心の中で繰り返し繰り返し深呼吸をして、それから最後に大きく息を吸い込んだ。
心臓が、恐ろしい心拍数を叩き出してるのが分かる。


「し、信じ、マス」
「・・・


ぎこちなく頷いた後、はまたイッキを見上げた。
そして、繋いだままの手をぎゅっと強く握る。
何度も深呼吸したはずなのに、全然鼓動は落ち着かないし、それどころか暴れ放題。
さっきより呼吸は乱れそうだし、何だか散々だ。
それに、イッキと両思いになるってことは、
あのFCと上手く渡り合わなくちゃリアルに恐ろしい展開に転がることも知ってる。
それこそ笑いにもネタにもならない、ぞっとする方向に向かわないとも限らない。
と全く同じ道を辿る訳じゃないかもしれないけど、その可能性は限りなく高い。
しかもはイッキと同じ大学なのだ。
不安要素も危険要因も盛りだくさん。
分かってる。
画面越しの知識だけじゃなく、は現実でイッキのFCの彼への執着を目にしてきたから。
でも、今この気持ちを伝えなかったら、きっとは後悔する。
イッキはじっとの返事を待っていた。
決まってる。
の答えなんか、随分前から出てること、イッキだって知ってるはずだ。



「イッキさん、、・・・もイッキさんが好きです」



緊張しすぎて声が裏返りそうになりながら、それでもは自分の気持ちを口に出した。
瞬間。
イッキと繋いだままの手をぐいと力強く引っ張られ、は彼の胸へと引き寄せられた。
ふわり。
どこか苦味のある、だけど甘い香りがを包み込む。
気付けばの頬にイッキのやわらかな銀髪が触れてて、彼がの肩口に顔を押し付けていた。


「はっ・・・、ははっ!ごめん、突然。スゴク嬉しいよ、。本当に・・・嬉しい・・・。
自分から告白したのも、こんな風に普通に返事をして貰えたのも、久しぶりで・・・。
うん、今ね、とても幸せな気分だ・・・」


そう言ったイッキのの背中に回された両腕に力がこもる。
両思いになる瞬間ってのは、きっとどんな人にとっても幸せなことだ。
だけどイッキにとっては、普通の人たちの何倍もその意味が大きいに違いなくて。
その幸福感を、まさかが彼に与えてあげられる相手になれてるなんて実は全然実感がない。


「ねぇ、・・・キス・・・してもいい?」
「は―――んぅ!?」


イッキはに問いかけといて、が返事をし終えるより早く奪うように唇を重ねた。
の口から発されるはずだった二文字目の言葉は文字通りイッキの唇に吸い込まれてく。
同時に熱くて湿った吐息がの口内を満たした。
イッキのやわらかく形のいい唇が、ついばむ様にの唇に触れ、そして名残惜しそうに離れる。


「本当はもっと言わなくちゃいけないことがあるんだけど・・・、
ごめんね、今はそれ・・・後回しにさせて・・・」


艶やかな吐息を吐き出して、再び軽く唇を触れ合わせてイッキが言った。


「ああ、でも・・・ひとつだけ、いい?」
「・・・?は、い?」


甘ったるい気分で一杯になって、そのまま溺れてしまわないように苦労しつつ、
はどうにか返事をする。


「次からは例え数合わせでも合コンに参加はしないで、きちんと断って欲しいんだ」
「・・・、・・・りょ、了解」
「うん、それを聞いて安心したよ」


言って、彼はまたの唇に自分の唇を重ねた。
終電を逃してタクシーを捕まえる為に駅前まで出てきたはずなのに、
あれからもう結構な時間が経ってしまってる。
だけど、今、それを口にする気にも考える気にも到底なれなくて、
は背伸びをしてイッキのキスに応えた。


それ以上に、これから考えなくちゃならないことは色々ある。
でもそれは全部全部後回しだ。


今はを抱きしめてくれるイッキの体温を、唇の感触を、
両思いになったこの瞬間を、ただ、噛締めさせて欲しかった。


(END)


長すぎる、長すぎるアアアア!!と言うことで、すみません、非常に長ったらしくてorz
前後編にしようかとも思ったんですけども、ぶった切れる部分を見つけられなかった。
でも取り合えず一番好きなイッキを増やせて良かった。
これから大変だぞって感じですけど、そう言ういざこざのない部分書きたくて。
カッコ付けて告白するんじゃなくて、もう何か今すぐ言うぞチクショウ的なイッキ書けてるといいんですけど。
予想外に温かいお言葉沢山頂けて、張り切って執筆させていただきましたv
ではでは、ここまでお付き合い下さった姫様、誠に有難うございます^^
Title by 確かに恋だった