君と進む道ならば 泥だらけの未来であっても それはそれで悪くない 

立ち向かう勇気や希望は 君と繋いだこの手のぬくもりに 全部詰まっている筈だから

君と一緒に歩いていこう どんな大きな障害も 君と進む道ならば

それはそれで悪くない  君は最高のパートナー  僕の愛しき恋人 



「へぇ、、いい声してんなぁ。お前、歌上手かったんだな。」
「え!?」

屋上。
真っ青に広がる快晴の空を仰ぎながら、ついつい声に出して歌ってしまっていた私に、
いつの間にか私のすぐ側に哲也が姿を見せた

「哲也。」
「お!そうだ、俺のひばりちゃんも聴かせてやろうか?
こっからならかなり気持ちよく歌えそうだぜ。」
「やめとけ、お前の声量だと拡声器使った時以上に他の連中に聞こえる。
篠宮が飛んでくるぞ。・・・ある意味じゃあ、他の生徒は喜ぶかもしれないが。」
「おいおい、ひでぇ言われようだな。
けど、ま、篠宮が飛んでくるってのはあるかもな。今回はやめとくか。」

言って、さも残念そうな顔でアイツは頭をぼりぼりと掻いた。

「なぁ、、さっきの歌何て曲だ?聴いたことねぇけど。」
「ん?ああ、あれは私の友達が組んでたバンドで歌わされたもので、曲名は覚えてないな。」

青空を突っ切るようにして作られている飛行機雲。
私は空を仰ぎ見ながら、そう答えた。

「お前バンドのボーカルなんてやってたのか?通りで上手い筈だぜ。
思わず聞き惚れちまったもんなぁ。」
「ふふっ・・・そんな大げさなもんじゃない、頼まれて一回きりだったし。
だからこそ歌詞を覚えてたんだ。今考えると中々クサイ内容だな。」

私は思わず苦笑を漏らし、視線を哲也へと移す。
目が合った瞬間、アイツは、ふっ、と笑みを零した。

「いや、いい歌詞じゃねぇか。俺はああ言うのは好きだぜ。
何かこう真っ直ぐで純粋な感じがするじゃねぇか。
特にお前の歌声だったからそう思っちまったのかもしれねぇけどな。」
「クスクス・・・哲也、それは褒めすぎだ。」

そう答えて小さく笑った私の目の前に、不意に哲也が手を差し出してきた。

「哲也?」
「ほら、お前も手ぇ出せよ、。」
「えっ・・・?」

ヤツの言いたいことが分からず、私が咄嗟に聞き返すと、
哲也は差し出していた手で私の左手を少々強引に握った。
驚いて視線を上げる私の目に、再度、アイツの笑顔が飛び込んでくる。

「たまにはよ・・・、こう言う青春クサイ感じも悪かねぇだろ?」
「・・・・・・・・・・・プッ・・・ふふふ・・・そうだな。」

私の手に伝わる、哲也の大きくて浅黒い掌の感触。
温かくて心地いい感触、それでいて照れくさい。

「俺達ももうすぐ卒業だ・・・。そしたら今みてぇに好きな時に会えなくなっちまうもんな・・・。
けどよ、俺はこの先もずっとを放すつもりはねぇんだ、他の男に目移りなんかするなよ。」

手を繋いだまま、青空を仰いで哲也が言った。
見上げたアイツの耳元が、赤くなっているのが分かる。

「安心しろ、お前以上の男なんて・・・私にとって存在しない。」

「おぅ!そりゃあ、そうだったな。当然俺もお前以上の女なんか居ねぇと思ってるぜ。」


そう答えて私の方へと視線を移した哲也の笑顔は、快晴の空にある太陽と同じ位眩しく感じた。


確かに、こう言う青春クサイ感じも悪くない。
哲也と繋いだ手に少しだけ力を込めて、私は小さく笑った。


(終わり)



後書き
冒頭のくっさい詩へのツッコミはなしでお願いします(切実)
と言うかこの話全体的にクサイんじゃあ・・・・・・・・・・・・
何だろう、初めてヘヴンやった時は七条・中嶋好きだった筈が、
今は丹羽が好き過ぎて困ります。丹羽の話ばっかり増えてる・・・。
ではではここまでのお付き合い、誠に有り難うございました!


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