今夜は奥州からヤンキーな方々を招いての盛大な宴。
と言っても、チカの所の野郎共も政宗の所の野郎共も、余り変わりはない様に思える。
だからと言う訳じゃないだろうけど、チカと政宗はすぐに打ち解けた。
寧ろチカは政宗を気に入ったみたいだ。
ゲームの中でもあったように、彼らはお互いに何か通じるものがあるらしい。
美しきかな、友情。
んでもってさん、現在両手に花ならず、眼帯コンビになっている。
BASARAファンとしてはこれ程の贅沢が味わえるなんて、素直に感動だ。
右を見ても左を見ても、隻眼の端正な顔立ち。
更に嬉しい事は、当然、政宗の傍には小十郎が居るってこと。
視線を動かすたび、3人の誰かしら私の視界に入ってきて、思わず笑みが零れそうになる。
このさんとしたことが、獣化したチカ以上にヤバイ状態。
「あんたなら立派な海の男になれるぜ。」
「HAHA!いいねぇ、そいつぁcoolだ。
だが、ま、今は俺にゃやらなきゃなんねぇ事が山積みでな。」
そんな会話を口にしつつ、お酒を酌み交わす二人は、嫌になるほど絵になっている。
「しかし四海の鬼と恐れられるアンタが、女連れで旅してるとはな。」
「アアン?別にコイツとはそんなに色気のある関係じゃねぇ。成り行き上ってヤツだぜ。」
「そうそう、たまに獣化して食われそうになるけどね。」
けろりとして答えると、チカは「るせぇ!」と返して手にあるお酒をグイっと飲み干した。
と、政宗の隣の小十郎がククッと喉を鳴らして笑う。
「、政宗様と初めて会った時の態度でも思ったが、オメェはやっぱり大した女だぜ。」
「それって褒めてるのよね?小十郎私に惚れちゃう?だったらチカと交渉しないと。」
「何をだ!?」
何故か慌てるチカに、私はいつものようにケラケラと笑って見せた。
政宗はその様子をジッと見つめて、それから綺麗な唇の端を上げて言った。
「、俺にしときな。俺ならアンタを十分満足させてやれるぜ?」
「わお、奥州の竜に口説かれるなんて感激。でも、私年上だって知ってた?」
「No problem.大体そう大して変わんねぇだろ。俺がアンタを気に入った、それで十分だぜ。」
「ふっふっふ・・・政宗様、その辺にしておいた方がいい。これ以上は船の主の機嫌を損ねかねない。」
笑いを堪えきれなかったらしい小十郎が、そう言って視線だけでチカを指し示す。
その台詞にチカはいきなり口からブハッとお酒を噴き出した。
「兄さん、あんたいきなり何言ってんだ!?
俺ぁ別にが誰と何話そうが気にしちゃいねぇ!・・・ゲボっ!」
口元を片手の甲で拭いつつ、そこまで言ってむせるチカ。
小十郎はそのチカの答えに苦笑を漏らしていた。
「アニキ〜!!客人にあの例の酒出しちまっていいですかい!?」
「お、おぅよ!待ってろ!俺もそっちに行ってやっから!
・・・悪ぃな、ちっとばっかし席外すぜ。」
言って、チカは半分逃げるみたいに私たちから離れて部下達の所に向かった。
「ほっほ!素直じゃないね、チカ君は。」
「HA!まだ微妙な線を越えられねぇ関係ってとこか・・・、だったら尚更俺の女になりな、。
さっきも言ったが、俺ならアンタを十分満足させてやれるぜ?」
「わお、政宗がそう言うこと口にすると、さん思わず18禁な想像に走るかも。」
「クックック・・・当然、そう言う意味も含めてだったんだがな。
・・・AH-HA・・・、さっきから俺の話しをはぐらかそうとしちゃいねぇか?」
彼の言葉に、咄嗟に視線を泳がせる私。
こんな美味しい状況なのに、さんとしたことが非常に腰が引け気味。
どうしたものかと考えていると、小十郎と目が合ってしまった。
「気をつけろよ、。政宗様は狙った獲物は逃がさねぇぜ。」
「うんうん、そうでしょうとも。でも何でわざわざチカの前で口説いたの?」
「一応礼儀としてfairに行こうと思ってな。
しっかし、あの四海の鬼が・・・大した動揺っぷりで笑えたぜ。」
笑いを堪えるみたいに言いながら、政宗が杯の中のお酒を飲み干す。
そして空になった杯に小十郎がすぐさままたお酒を注いでいた。
「政宗、君って本当にお酒強いのね。
小十郎は何か見た目でそうだと思ってたから意外でもないけど。」
「yeah.俺は酒も煙管もイケるぜ。」
「あ、もうその中身空じゃない?私貰ってくるわ。」
私はそう言って立ち上がろうとした。
と、その手を素早く政宗が掴む。
「おっと、、そうはいかねぇぜ。クック・・・ま、自然な会話運びだったのは褒めてやる。
だが、言った筈だ。You're not getting away.」
(逃がさねぇぜ。)
ニヤリ。
私の腕を掴んだまま、政宗がまた口角を上げる。
そして不覚にもときめいてしまう私。
とは言え、何故だろう、自分でも分からないけど、これはちょっとチカの時と種類の違うときめきだ。
「君も獣化現象頻繁に起きる方?」
「HA!何だ?そりゃ。幾ら何でもそこまで飢えちゃいねぇぜ。
ああ・・・だがアンタにはそうかもな。随分とServiceのいい格好じゃねぇか。」
「これが動き易いからね。チカには怒られるけど。」
「ほぉ、そうかい。・・・・・・・・・・・Hmm.」
返事をしてすぐ、政宗は私の顔をジッと見つめた。
そして何か考える様に少しだけ黙り込むと、また不意に例のニヤリとした笑みを浮かべる。
「・・・・。」
「ん?・・・・!?」
―グイッ
名前を呼ばれて、一文字、返した。
瞬間。
掴まれた腕を力強く引き寄せられて、押し付けれられる政宗の唇。
柔らかい唇の感触と一緒に感じる熱。
咄嗟の事に、判断能力が働かず、呆然状態の私。
政宗は唇を触れるか触れないかのスレスレの所まで離して、囁くようにして言った。
「悪ぃな、頂きだ。」
言いざま、彼は仕上げみたいに私の唇を舌で舐めた。
「おい!!おめぇら、何してやがる!?」
政宗が私からゆっくり体を解放しようとしたその時。
私たちの居る所から少し離れた場所から、チカがそう大声で怒鳴った。
ああ、さん、大ピンチってヤツか。
「チカ!」
「OH!この状況で乗り込んでくるたぁ、アンタも野暮だな。
うちの小十郎を見習えよ。さっさと席を外してるぜ?」
余裕の笑みで政宗が返す。
想像通りが嬉しいのか悲しいのか、さすがに今回は私も焦りを隠せなかった。
「政宗様、別に俺はあなたに気を遣った訳ではありませぬぞ。」
いつの間にか移動して別の場所に居たらしい小十郎が、そう言ってチラリと私と元親を見比べた。
「・・・やっぱりやっちまったか・・・。仕方の無い方だ・・・。」
溜息と一緒に、独り言位の大きさで小十郎がそう続ける。
私は思わず立ち上がっていた。
「どうした?四海の鬼。アンタにとって、
コイツは『ただ成り行き上一緒に居るだけの連れ』じゃなかったのか?You look pale. 」
(顔色が悪いぜ。)
「ちぃっ・・・、んでもねぇ・・・!おい、野郎共、例の酒を客人に出してやんな。
俺は・・・・・・・・少し奥に引っ込んでるからな・・・・!」
超絶不機嫌な声でそう怒鳴ると、チカはそのままクルリと私たちに背中を向けて船室の方に行ってしまった。
チカの口調から彼の機嫌の悪さを察した『野郎共』が、少し困惑気味に返事をしていた。
「政宗、キミ、チカが居るの分かってやった?」
「さぁてな、ああ、だが見られてもどうってことねぇとは思ってたぜ。」
「ほっほ!もういい、私も油断してたし。・・・チカの所に行ってくるわ。」
私はそう言って急いでチカの後を追おうとした。
と。
「HEY!俺は大事なお客さんだぜ?この俺を置いて行っちまう気かよ。」
「わお!それがヲトメの唇を無断で奪った男の台詞!?却下!
今度は私が誘った場合にしか手を出さないように!」
「〜♪アンタが誘ってくるんだったら最後まで手ぇ出しちまいそうだぜ。」
口笛と一緒に大げさに驚いて見せる政宗。
私は思わず苦笑してから、小十郎と政宗に手を振ってチカの所に向かった。
「やれやれ、これも振られた内に入んのか?小十郎。」
「ふっ、何とも推し量りにくい女ですからね。
だが少なくともあの鬼の坊やはを気に入ってる。」
「I see.まぁいい、今回はここまでにしといてやるか。機会は幾らでもあるだろ。」
そんな二人の会話内容は勿論私の耳には届いていなかった。
(続く)
後書き
一話で終らせるつもりが前後編物に。
因みに政宗の逆襲(??)は今のところ考えてません。ただ登場させたかっただけです(笑)
では、ここまでのお付き合い誠に有難うございました。
ブラウザバック推奨