ヤバイ、ヤバイ!!やば過ぎる!!!あのドぐされ男!!


前々から勿論かなりヤバかったけど、最近特にヤバイ。
アイツが傍に居る間はいつでもどこでもどんな時でも警戒に警戒を重ねなければ。
何が厄介って、あのドSフェロモン大王の溢れんばかりの色気に、
私自身が抵抗出来ない所まで追い詰められることが1番厄介だ。
とにかく今のアイツはとにかくヤバイ。

「最低、最低だわ・・・!あの万年発情期男・・・・!」

―ズゴッ!


机の上の鞄を拳で凹ませて一言。
勿論、周りの生徒には気付かれない程度の音量で。

「おっと、、どしたの?随分荒れてるねぇ。」

そこへ不意に佐助が声を掛けてきて、私は思わず慌ててしまう。

「わっ、佐助!・・・今の聞こえてた?」
「ん?何か言ってた?つか俺様の鞄への一発が見事でそっちに見とれてたわ。」

佐助の返事にホッとしつつ、私は凹んだ鞄の中に教科書を入れ始めた。

「なぁ、もしかして竜の旦那と喧嘩でもしてたりする?」
「え!?いや、別にそうじゃないけど・・・・。」

言えない。
言える訳がない。
佐助じゃなくても、例えかすがだろうといつきだろうと言えない。
最近、前よりも更に、政宗の馬鹿が性欲満々だなんて。


だだだ、誰が言えるかってのよ!!!
くっ・・・政宗めぇぇぇ!

?」
「え?あ、うん!喧嘩なんてしてないわよ、いつも通り、いつも通り!」

あははは。
と、乾いた笑い声を響かせる私に、怪訝げな瞳の佐助。
そんな目で私を見ないで欲しい。
と言うか、これ以上アイツに関して何も聞いてこないで欲しい。
不意に佐助が私の耳元近くまで屈みこんでくる。

「今からでも遅くないぜ、俺に乗り換えて・・・ピンポンパンポーン

タイミングを見計らった様に佐助の言葉を遮る放送音。
私は咄嗟に身構えると、放送内容に耳を傾けた。
政宗の呼び出しは大抵放課後のこの時間にあるから。


[2年C組品川 紗枝、今すぐ俺の居る生徒会室まで来い。寄り道すんじゃねぇぞ、come along!]

―ピンポンパンポーン・・・

案の定、いつ呼び出すときも一語一句変わらない内容の政宗の声が校内に響き渡る。
本当に、いつから私の通う高校はこんな職権乱用を許すような広い心をお持ちになったんだろうか。
因みに今回は私、あのドぐされ男に踊らされて生徒会室に急行!なんてことはしない。
寧ろ速やかに校内から立ち去る方を選ばせて頂く事にした。

「佐助!ゴメン!私急ぐから、また家で話し聞くわ!」
「って、何々?やっぱ竜の旦那の所に行っちまう訳!?」
「違う!けど、グズグズしてたら・・・・とにかく、またね!」

言って、私は急いで身支度を済ませると、生徒会室に向かう廊下とは逆方向に走り始める。
そりゃもう、力の限り。
私が逃亡したのがバレた時点で、あのドS政宗がどう出るかなんか、今は考えたくもない。
ただひたすらにマイホームを目指すのみ。
だけど、それ以前に校内を抜け出すことが先決だ。
足には自信のある方だけど、あのBASARAキャラ特有の超爆走に常人の私が敵う訳がない、
とにかく、政宗に気付かれる前に逃げ切るのが上策。


とりあえず下駄箱まで到着!!
さっさと靴に履き替えて校門までダッシュよ、ダッシュ!!


「よっし、政宗の奴はまだ気付いてないわね。思ったよりイケるかも!」
「AH-HA・・・、誰がまだ気付いてねぇって?」
「!!!???」

瞬間凍結。
上履きを脱ごうと足を動かしていた、その時、背中から掛けられた声。
誰かなんて、顔を確認しなくても速攻で分かってしまった。
だからこそ、振り返るなんて動作が出来る筈もなく。
それどころか体全体が凍り付いて普通に動く事も出来ない。

ポン。

私の肩に置かれた骨ばった手。

、俺からの校内放送が聞こえなかった訳じゃねぇよなぁ?
なのに、だ、アンタがここに居るってのはどう言うことだ?
Could I have an explanation?honey.」
(説明しちゃくれねぇか?)


質問が多いし!!!じゃなくて、そうじゃなくて!!
見付かった!!最悪、最悪よ!!マジで!!

未だに硬直したまま奴の方に振り向けずに居る私に、
アイツは私の肩に置いていた手に力を込めて、強引に私を自分と向かい合わせにさせた。

「っつ・・・!政宗先輩・・・!痛い・・・!」
「どうやらここじゃ説明出来ねぇみてぇだな。OK.OK.場所変えてやるぜ、有り難く思いな。」
「って、人の話を・・・っ!?わ、ちょっと!?まさか!?」


―ガッ!

と、政宗が突然私の腰に片手を回し、そのまま持ち上げる。
以前にもやられたことがある、荷物担ぎな例のアレだ。
焦りまくる私を余所に、余裕で爆走を始める政宗。

「ちょっと!!ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!拉致られる!!!放せ!!放せぇぇぇぇぇ!!!」

断末魔の叫び声。
と言ってもおかしくない程の悲鳴を上げ続けながら、
それでも為すすべなく私は政宗の手によって連れ去られる結果になった。
放課後で校内に残ってる生徒が少ないとは言え、この暴君のこの所業を皆何とも思わないなんて、
本当にどうかしてると思う。
しかもこんなにも悲鳴を上げているか弱い女生徒を、
どう見ても悪役顔の政宗から助け出そうともしやがらないなんて。
まぁ、政宗に異見出来る人間なんて、BASARA系キャラ以外いやしないんだろうけど。

「Here we are.honey!」(着いたぜ)
「・・・・・・・・・って、ここ、何処よ!?生徒会室じゃないじゃない!」

拉致られ、連れてこられた新校舎内のとある一室。
広々とした空間に、小奇麗な内装。
一見、会議室に見えないこともない。
だけど、どう見ても高校生が使う教室とは違って、
テレビのドラマか何かで見た一流会社の大会議室の様な感じだった。
因みに、その間も政宗から逃げ出す隙を伺って、
もがいて見たりしたけど無駄な抵抗に終っている。
政宗は私を抱えたままその室内を通過して、その奥にある扉に手を掛けながら言った。

「ここは正真正銘生徒会室だ。ま、第二生徒会室ってやつだな。」
「第二生徒会室・・・!?そんなものあったの!?」
「あぁ、特に重要な会議の場合はここに役員連中を集めてる。
内容によっちゃ、他の生徒にゃ漏らせねぇもんもあるんでな。」
「・・・ビックリ、でも何でこんなに豪勢な訳?」
「あ?そりゃ俺の趣味だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

サラリ。
言ってのけやがった政宗に、目が点の私。


はい?俺の趣味??待て、待ってよ?ここは私室!?私物!?
あんたの私物なの!!!???


腐っても伊達財閥の御曹司。
と、言う設定らしい政宗。
うちの学園への援助も並みじゃないらしいって話も知ってる。
まぁ、それはそれとして、だ。


校内の教室(?)一つ私室扱いってどうよ!?
いや、何か豪華でそこはかとなくオシャレくさい会議室だけど、
そう言う問題なの!?その辺どうよ!?

口にしないまでも、内心ツッコミの嵐な私。
なんてことを考えていると、奴がやっと私を下ろしてくれた。
でも何故か、ベッド並みに大きな、ものスゴク高そうなソファの上に。
しかも。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・政宗先輩・・・?」
「what's?」
「何であんたは私を下ろすだけじゃなくて、上に覆い被さろうとしてるの!?
ムチャクチャあやしい体勢なんですけど!!??」

しかも何故か、政宗の奴は私を押し倒す様な形になっている。
こう言う方向になるのが怖くて、こっちが逃げ回っていたことなんかお構いなしって訳だ。
私の頭の左側には政宗の手が有って、彼の空いた片手はソファの背もたれに置かれている。
更に言えば、結構な至近距離に政宗の顔。
ニヤリ。
奴がお得意の底意地の悪そうな笑顔を浮かべた。

「俺とアンタは付き合ってんだぜ?極自然な流れだと思うがな?」
「いやいやいや!あんた普通に私の事拉致って来たでしょ!スッゴク不自然だから!」
「クックック・・・つれねぇ返事だねぇ・・・。」


―カチッ!


「・・・・・!」

私の頭上、少し離れた奥の方。
大会議室に繋がるドアのある方向。
そこから微かに聞こえた、鍵をロックするみたいな音。

「ねぇ、あんた今・・・・。」
「新校舎のセキュリティは伊達財閥が仕切ってるって知ってたか?
もっと言やぁ、特にこの第二生徒会室についちゃ俺の管轄だと言ってもいい。
役員召集時以外はこの階にゃ生徒所か教師も立ち入りを禁じられててなァ?
おかげで一人になりてぇ時は大助かりだぜ。ま、今はアンタと俺、二人っきりだがな。」
「・・・なっ・・・なっ・・・なっ・・・!!!???」

政宗は口角を上げてさも楽しげにそう説明した。
余りの事に、余りの大ピンチに、私は咄嗟に声も出せずに口をパクパクさせ、
まるで魚の様な間抜けな顔を奴の前に晒す。

「HAHA!どうした?、嬉しくて声も出ないってとこか?」
「ばっ・・・!!誰がよ!?拉致の上に監禁だし!」
「〜♪そいつぁcoolな響きだぜ。」

私を馬鹿にするみたいに口笛を吹いて、奴が益々私の方へと体を傾ける。


ギッ。


小さく軋むソファのスプリングの音が、私の耳にいやに大きく聞こえた。
政宗の湿った吐息が私の唇辺りに吹きかかる。
その瞬間、ぞくりと背中に何かが駆け抜けた。
顔を背けようにも、右はソファの背もたれ、左は政宗の手で邪魔されていて、それも無理だ。


「Are you ready?my sweet baby・・・クックック俺から逃げられると思うなよ、


「!!!!!!」

不敵に笑みを浮かべる政宗の唇。
瞬時に固まる私の体。


(今はある意味じゃ武田?)今世紀最大、女の操の大ピンチ!!!


(「性欲過多」に続く)



--------アトガキ---------
長っ!(笑)前編だけでこんなに使ってしまい、読みにくかったら申し訳ございません。
しかもパラトリでこの展開、うふふ、あはは、その上続きます。
高いソファは本当なら軋み音なんかしないだろうな・・・と、ふと考えてしまった。
これから更に危険思考な状態の政宗公になると思いますが、・・・クサクサ政宗が恐ろしい方向に変化してる(苦笑)
ですが微エロ程度に収まる筈です。・・・・筆頭が犯罪者にならない様に努力します。
では、ここまでのお付き合い、誠に有難うございました!失礼致します。


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