「ふぅ、取りあえずさっきより気分良くなったって感じ。」
「フン、だらしのない奴め!」

ベンチに座って家康の買ってきてくれたジュースを飲みつつ一息ついた所で、
家康の奴はまた憎まれ口を叩きやがった。
だけどまぁ、今回は私の為にジュースを買いに行ってくれたので、見逃してやることにした。

「つかさ、俺様はおしるこがマジで売ってあったってとこに驚いたぜ。
品揃えがいい内に入んのかねぇ、これも・・・・。」
「うむ!このしるこは今まで飲んできた中でも絶品だ!
まったりとこくがあり甘さも丁度良い、しかも白玉まで仕込んであるのだぞ!」
「・・・・・・いやいや、そんな一昔前の美食系アニメみたいな説明しなくてもいいからね。」

取りあえず幸村にツッコミをいれてやる。
奴は犬っころが喜びに満ち溢れて尻尾をパタパタさせていると言う表現ピッタリの、
輝く笑顔でおしるこを飲んでいた。
可愛いと言えないこともないし、微笑ましいと言えば微笑ましい。
因みに、白玉が入っていた事に少しだけ感心したのは内緒だ。

「次に乗るんだったら心臓に悪くない乗り物がいい。
ジェットコースターとか平気だけど、今はパスね。」

言いざま、立ち上がった瞬間だった。


―ズルっ

「っ!!??」

足元。
何かを踏んだらしく、私はそのまますっ転びそうになった。


「「「っ!」」」

側に居た3人が同時に声を上げる。
こういう場合、いつもなら佐助が一番に私を助けてくれてたんだけど、今回は違った。
だからと言ってそのまますっ転んだかと言うと、そうじゃない。
しっかり助けて貰った。
だけど相手はこの場に居る兄弟連中じゃなかったのだ。

「おっと、大丈夫か?」

掴んでくれた腕が予想外に逞しくて、
声を掛けてくれた渋みのある大人の男の声に私は驚いて視線をその人に移した。
私よりかなり高い位置に頭がある。
間違いなくゴツい系ではあるけど、整った顔。
何よりオーラが普通じゃない。
並みじゃない雰囲気と存在感。
私は半分ぽかんとした間抜けな顔で彼を見上げていた。
頬にある太刀傷とオールバックにした髪型。
片倉小十郎。
間違いない。
日記では何度か目にしてたけど、こうして直に彼と会うのは初めてだった。
今更説明する必要もない。
彼も当然BASARAキャラの一人だ。

「フッ、どうした?。あんまり久しぶり過ぎて俺の顔は忘れちまったか?」
「え!?あ、ちが、違います!有難うございました、小十郎・・・さん!!」

慌てまくって声が上ずる私。
何故か必要以上に動揺した。
最近こう、まともな大人の男の人と接する機会が無かったせいもあると思う。
変に緊張してしまったのだ。
私は再度、小十郎にお礼を言って、彼の腕から少しだけ離れた。
と、そこで私ははたと動きを止める。
小十郎のこの世界での設定は確か政宗の世話役、兼伊達家執事。
ってことは当然―――――

「HEY!小十郎、ソイツは俺のhoneyだ。
分かってるだろうが、手は出すんじゃねぇぜ。」


デタああああああああああああああああああ!!!!!


思わず本気で叫びそうになってしまった。
小十郎が居るんだから当然と言えば当然な展開。
だけど、やっぱり思ってしまう。
思わずにはいられない。


「ぬっ!?伊達政宗!?何故そなたがここに!」
「・・・・はぁ〜・・・、やーれやれ・・・面白くねぇことになってきたぜ。」

普通に驚いてる幸村の隣で大げさな溜め息と一緒に佐助が呟く。
私もある意味で佐助と同意見だ。
少しはいつもより平和な一日が送れると思ったのに。
さようなら、私の素敵な勘違いタイム。

「何故だって?HA!このamusement parkの名前を忘れた訳じゃねぇだろ?
ここは俺の家の会社が経営してる施設のひとつだ。
もっと言うなら、あんたらが持ってるfree passは、俺がオッサンに贈ってやったもんだぜ。」


やっぱりか!!!!!!


薄々分かっていただけに、オチに面白みを感じない。
いや、感じたくもないけど。
でも、何と言うか、いつもいつもある意味で私の期待を裏切らない世界だとつくづく思う。

「意外性もなにもあったもんじゃないわね。」

私は溜め息を吐きながら正直な感想を述べた。

「ネット上じゃプレミアムがついてる程のしろもんだ。
特別な手段でもない限り手に入らねぇ物ってのは分かってたが、
オメェからってのは妥当すぎて笑えんな。」

私の側に居た家康も珍しく同意見らしい、つまらなさそうに頷いている。

「何と!?そうであったのか!?」
「・・・・・・・おいおい、旦那、遅すぎるから。」

幸村だけは本当に分かっていなかったみたいで、さっきより更に更に驚いている。
そしていつものようにツッコミを入れる佐助。

「Smart aleck・・・ちぃとぐれぇ感謝の言葉が出ねぇのか、アンタらは。」
(失礼な奴らだ)

呆れたようなムカついてるような声で政宗が言った。
確かに政宗の言ってる事は正しい。
プレミアムが付くほど貴重なフリーパスを、家族単位で贈ってくれたのだ。
感謝はされてもこんな風にヤレヤレ的なムードで反応される覚えはないだろう。

「ごめん、政宗先輩。意外性云々はさておき、皆喜んでたし、感謝してる。有難う。」
「Hmm・・・前半部分は気になるとこだが・・・、アンタが喜んでくれりゃ俺はそれでいい。
存分に楽しんでくれよ?。」

満足そうに頷いて、恐ろしく自然に政宗が私の腰に腕を絡めてきた。
何だ、コイツ、女なれし過ぎだろ。
一瞬私も普通にされるがままに無抵抗状態になってしまったじゃないか。
それ位自然だった。
勿論、すぐに我に返って離れたけど。

「政宗先輩、あんたはすぐそうやって・・・!」
「こらこらこら!なぁーにやってんの!?油断も隙もねぇな、伊達の旦那は。」
「伊達政宗えぇっ!我が妹に破廉恥な行為をしようとは、許さぬ!許さぬでござるぞ!!」

私に続いて(いつも通り)佐助と幸村が抗議する。

「こんなヤツでもわしの姉だ!軽々しく触るんじゃねぇっ!!」

と、驚いたことに、何故か家康まで抗議の声を上げた。
って言うか、かなり微妙な言い回しだけど。
こんなヤツって何よ、こんなヤツってのは!

「猿と幸村はいつものことだが…今回は家康まで居るのかよ。」
「フッ・・・さすがはだぜ・・・。政宗様、敵が多ございますな。」

小十郎は私をチラリと見てから政宗に言った。
政宗は小さく舌打ちをする。

「ああ、うるさくて敵わねぇぜ。人の恋路を邪魔しやがって。
家康、アンタまで俺の敵に回るとはな。」
「フン!知ったことか!言っておくが、
わしは別にコイツがわしの血縁の者でなければ気に等してねぇからな!」
「またまたぁ、そんなこと言っちゃって、
最近シスコンが重症になってきてるんじゃないの?」

佐助が明らかにからかい口調で言って、ニヤニヤした笑いを浮かべる。
家康は顔を真っ赤にして反論していた。

「違う!!わしは、こんな女でも血が繋がっているから、仕方なく!」
「家康!!さっきからこんな女こんな女ってあんたねぇ!!」

毎度のことながら失礼な弟だ。
ほんっと、現実世界の弟そっくりの生意気体質。

「佐助!某はしすこんなのだ!!が不逞の輩の手に渡るなど考えられぬ!!」
「・・・・・・・・・・・・・おおーい、旦那、シスコンの意味分かって言ってる?
胸張る事じゃねぇから、それは。」

少人数でも十分騒がしいBASARA家族の兄弟’S
政宗の登場で更に引っかき回されてる感たっぷりだ。
まぁ、私も人のこと言えないのは分ってるけど。

「・・・・やれやれ、これは・・・この先益々の苦労が予測されますな、政宗様。」
「Holy shit!・・・・まったくだぜ。」

自分が事の発端を作ったくせに、心底呆れ顔の政宗。
小十郎も苦笑しつつ私たち兄弟を見守っている。


ここは超人気テーマパーク・DDランド。
今は昼過ぎで、他の皆との待ち合わせ時間はまだ先だ。
BASARA兄弟’Sに加えて伊達主従の参戦。
もうひと波乱、起こりそうな予感がした。



(ドラゴン=竜・やっぱオチなし)


----アトガキ-----
久々の現代BASARA更新でした。そして初小十郎登場〜。
・・・・・・殆ど喋ってないような気もしますが、登場人物多いと色々厳しいです(苦笑
何だかDDランド編は思った以上に長引きそうな予感・・・。
これが終わったら慶次を出したいなとか思ってたけど、どうなることやら。
しかも2キャラの登場は最初から通して読むと辻褄が合ってない部分がある気がしますが(遠い目
ではでは、ここまでのお付き合い、誠に有難うございました。失礼します。


ブラウザバック推奨