[よぉ、皆、よく集まってくれたな。今日のPartyは派手に行くぜ!
まずはちぃと挨拶代わりだ、受取んな!!]


キャァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
オオオオオオオオオオオオ!!!!!!


特設ステージの中央で気障ったらしく挨拶(?)をした政宗に、
校庭内の生徒が熱狂した声を上げた。
耳がビリビリする。
地鳴りしてるんじゃないかと勘違いしそうな程の音量に、私は思わず耳を塞いだ。
と、空から何かが降って来るのが見える。
カラフルな雪!?かと思ってたら、よく見るとそれは小さなパラシュートで、
しかもプレゼントの箱がついてるみたいだった。


[おっと、悪ぃがあんまり欲張んじゃねぇぞ?イイコにしてりゃ、この先はもっと楽しいはずだぜ。
気に入らねぇようならその辺に居る奴と交換でもしな。]


キャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
ワァァァァァァァァ!!!!!!!!!!


またしても歓声を上げる生徒たち。
皆それぞれ降って来るプレゼントを受取ってはまたまた歓声を上げてる。
私も丁度手元に落ちてきた緑の色の箱に赤いリボンのクリスマスカラーなプレゼントをキャッチした。
貰える物は貰っておくというのが常識ってもんだ。

「おら、あれがいいだ!」

傍に居たいつきがそう言って、降って来る数あるプレゼントの1つを指差した。
白い箱にピンクのリボンがかかった可愛らしい箱が見える、どうやらお目当てはそれらしかった。
けど、その箱まではこっから見る限り、結構な距離がある。

「取ってくるだ!!」

いつきはそう言うが早いか戦闘中の爆走を繰り広げつつそっちへ突進して行ってしまった。

「あれ?かすがは受取らないの?」
「いらない。私はあんな男からの物を受取る理由など何もないからな。」

隣のかすがはそう素っ気なく返す。
やっぱり、今回もBASARA系住人はいつも通り彼のド派手な行動にもあんまり興味をしめしてないみたいだ。
って言うか、かすがの場合は『あの方』以外全般の男に興味0なだけだろうけど。
私は手元の小さなプレゼントのリボンを解いて中を確認することにした。
寒くて手がかじかんでいるから少し手間取ってしまう。

、俺が開けてやるぜ。貸しな。」
「えっ・・・?って、ええ!!??」

ひょいっと上から手が伸びてきて、私の持っていたプレゼントが突然現れたソイツの方へ。
驚いて見ると、ついさっきまでステージに居たはずの政宗だった。

「いつの間にここの居るのよ!?それに生徒会長がこんなとこに居て良い訳?」
「OH!今日はChristmasだぜ?俺だって楽しみたいんでな。おら、開いたぞ。」
「え?ああ、有り難う。・・・・・・・・!?」

箱の中身を見て驚く私。
入っていたのはネックレス。
シルバーの細やかなチェーンの先に、ピンクストーンで出来たみたいな小さな薔薇の彫刻がついている。
シンプルだけど何だか存在感があるし、それに何より凄く綺麗だ。
そのデザインと雰囲気にも感動だけど、それよりまず・・・。

「高そう・・・・。」
「What?何か言ったか?」
「うん、ねぇ政宗先輩、このプレゼントってさ、大量に降ってきたわよね。あれって中身全部一緒?」
「NO.大体野郎がこんな女もののDesignのもん貰って喜ぶと思うか?
確かに色違いってのはあるが、殆ど別物だぜ。」
「そうなんだ・・・・・・・。」

軽く頷きつつも、私は思わずビビる。
どういう金銭感覚なんだろうか、コイツは。
このネックレス、絶対純銀だろうし、それにこの薔薇に使ってる石だって本物だろう。
しかもばら撒いたと言ってもいいあの数。
中身が全部違うって言ってるけど、なら尚更総額幾らだって感じだ。
まさに伊達男、恐るべし。


キャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!
ワァァァァァァァ!!!!!!!!!


「今度は何!?」
「ああ、演奏が始まるんだろ。Christmas concertってやつだ。」

特設ステージ上にはいつの間にか演奏者の人たちが居て、
どうやら演奏直前と言うことらしかった。
指揮者らしき長身で中年の品の良さそうな男の人が、ステージの中央の壇上に上がる。
その瞬間に、生徒たちはシンと静まり返った。
瞬間、冷えて澄んだ冬の夜の空気に、同じ位澄んだ音が滑り込む。
クラシックをまともに聞いたことは滅多に無いけど、聞き惚れるという言葉がピッタリの演奏。

「凄い・・・・・・・・・・。」
「HA!感動すんのはまだ早ぇぜ。、ステージの上を見てな。」
「え?あ、うん。」

私は政宗に言われるまま、ステージの少し上に目を向けた。
隣に立っている政宗が、ニヤリ、と、例の何かを企んでいる風な笑い方をしたのが分かる。


「It's show time!」


ヒュゥゥ・・・・
ドォーー・・ン!!!


「・・・・・・!!」

政宗の一言を合図にしたように、空に大輪の華が咲く。
鮮やかで華やかな、見事な花火。
最初の一発を機に、次々に花火が上がる。
歓声と感嘆の声が聞こえて来る。

「最高の演出ね・・・。」
「当然だろ?」

口元を薄く上げたまま、政宗が言った。
今回ばかりは素直に頷くしかない。
政宗の片手が上がって、その手が私の方に伸ばされた。

「え?」

そして、彼の手が私の肩に触れそうになるその直前。


グイっ

「!?」

政宗とは反対側から誰かに腕を掴れて、そっちに引っ張られる。
私が誰かを確認するより前に、その彼が口を開いた。

「金に物言わせて女口説くなんて、ダセぇ真似するんじゃねぇ。生徒会長さんよぉ!」
「・・・・・・・・Shit.邪魔してくれたな?元親。」
「姫親!?」

腕を掴れたままで振り返る私。
ヤツは真っ直ぐ政宗に目を向けてる。
と言うか、また、私を完全無視して臨戦態勢状態に入ってるんだけど。
龍と鬼の対決なんか、怖過ぎだから。
このままお約束の口喧嘩のゴーサインか!?と、思いきや・・・。

「っぎゃっ!!??ちょっ・・・姫ちっ・・・!!!???」
、我慢してろ、このまんま走んぞ!!!!!!!!」

あんまりにも唐突に、姫親がひょいっと私を肩に担いだ。
形を分かり易く言えば、正面から私をタックルするようにして、荷物を担ぐみたいな・・・、
どう考えても全く色気の含まれない、そんなまさに『担ぎ方』だ。
って言うか、冷静に説明している場合じゃないんだけど。
因みに、私達を追ってこようとした政宗は、女の子の波に飲まれている状態。
姫親のヤツが進路を阻む為に女生徒達に何かを言ったようだった。
演奏と花火の音と、それから担がれたまま走ってるせいでよく聞こえなかったけど。

「姫っ・・・親・・・!ど・・こ行く・・・っ・・・気!?」
「アアン!?無理して喋んじゃねぇ!!舌噛むぞ!いいから黙ってろ!!」
「・・・・・って・・・あんたねぇ・・・っ!!」

担がれて走られているせいで、ガクガクと身体が揺れる。
抗議しようにも、確かに舌を噛みそうで、私は仕方なく姫親の言う通りにするしかなかった。
で、そのままの状態でどこに行くのかと思っていたら、何だかどんどんと見慣れた方向へ向かう姫親。
旧校舎の階段を上っている段階で、さすがの私も理解できた。
屋上だ。
私と姫親の憩いの場所ってやつ。
予想通り、屋上の扉の前でやっと私を肩から下ろし、姫親が扉の鍵を開ける。

「何か、身体がまだグラグラしてるわ。・・・うう、気持ちワル。」
「悪かったな、ま、勘弁してくれや。」

言って、姫親が笑う。


ギギギッ


と、重い鉄の扉が開いた。

「わぁ・・・・・・!!」
「はっはー!やっぱりな、花火を見るには特等席ってやつじゃねぇか!」

満足そうに姫親が言った。
無理もない、屋上から見る花火は、まさに絶景だった。
『花火』って意味を、改めて実感させられる位に。
大輪の華が咲いては散って、そしてまた咲いては散っていく。
散っていくその花弁が、屋上に居る私たちに降り注いできているようにも見えた。

「こうなると、政宗先輩の派手好きにも感謝しないとね。
・・・・って言うか、先輩大丈夫だったのか・・・。あんたも無茶するわよね。色々。」
「チィッ、おい、、今あの野郎の話なんかしやがるんじゃねぇよ。」

不機嫌そうに言って、姫親はフェンスに近付いて花火を見上げる。


って言うか、コイツ・・・ついさっきあんな行動取っておいてよく普通で居られるわよね・・・。


こう言っちゃなんだけど、私の周りに居る若手BASARAキャラ、女慣れ、し過ぎてる気がする。
と言ってもまぁ、特に約3名だけだけど。

。」
「何?」
「オメェ・・・・・・・あぁ?おい、それ。」
「え?」

片手に持ってる小さなバッグの端から、銀色の鎖が垂れ下がっていた。
政宗のド派手演出の時のプレゼントだ。
私はそれを1度バッグから出して、プレゼントの箱にまた綺麗に収めなおした。

「チッ・・・オメェはそれを受け取りやがったのかよ。」
「受取るって言うか・・・貰える物は貰っておこうと思って。大体、全生徒に配られたみたいなものじゃん?」
「胸糞わりぃ!」

何故かさっきよりもっと機嫌が悪くなる姫親。


・・・・・・・???何なの?本当に、訳分からないんだけど。


「でもさ、ここって本当に特等席だよね。」

思わずしみじみ言葉に出して、私はまた空を見上げた。
夜空に咲き乱れるカラフルな華。
校庭から聞こえる優雅なクラッシックが耳に心地いい。

「っっくしゅっ!!」

冬の冷え切った空気に、冷たい風。
おまけにここは屋上だ。
私はくしゃみをして、スンっと軽く洟を鳴らした。

、これでも着てろ。」

姫親が自分の着ている上着を脱いで、私に差し出す。
私はブンブンと勢いよく首を左右に振った。

「いいって、あんたさっき寒がってたじゃん。」

っていうか、四国キャラなんだから寒さに慣れてなくて当然だし。
理由は勿論、それだけじゃない。

「・・・アアン?何柄にもなく遠慮してんだ?いいから着てろつってんだ。」

言って、姫親が私の背中に回ると自分の上着を強引に引っ掛けさせた。


何なの!?だから何でそうあんたたちって接近率が高い訳!?


思わず顔を赤くしつつも、結局私は姫親の上着を羽織る。
アイツの体温であったまっているそれが、妙に恥ずかしい。


私ばっか意識しまくりで・・・マジ、何なんだ、BASARAキャラ達め!!!!


、まだ寒ぃのか?」
「え!?いや、私は大丈夫だけど、姫親の方が・・・・!」
「俺はこのぐれぇ平気だ!チッ・・・こんな時まで姫親って呼ぶんじゃねぇよ。」

ふてくされた声でそう言って、突然姫親の腕が後ろから私を抱きすくめる。

「っっ!!!!!????」
「いい加減、俺も我慢の限界だわ。元親って呼べや、。」


待って、待って、待っっっって!!!!!この状況は何!!??


固まる私にお構いなしで、姫親が私を抱き寄せる。
政宗的ピンチに陥ったことは今まで何度かあるけど、
まさか姫親がこんな行動に出るとは思わなくて、私の頭は超混乱の嵐。
どうすることも出来ないまま、石化する私。


シュッ


「っなに!!??」
「!?」


フッ、と、瞬間的に身体が姫親の腕から離れたのが分かる。
と言うより、また別の人間の腕の中にいるような感じで。

「こらこらこら!姫親の旦那。調子に乗りすぎでしょうが!」
「佐助!!!」
「チィッ・・・やっぱりオメェか!」

そう、今、私を片手に抱いてるのは佐助だ。
んで、臨戦態勢第2弾。
またしても私無視で。


この展開は、もしかして・・・・。


「じゃーね、旦那、は頂いていくぜ。」
「待ちやがれ!!!」


やっぱりか!!!


BASARAキャラに振り回されて、私のクリスマスの行方は一体どうなるんだ。


空には、未だに大輪の華が咲き続けてる。


(BASARA的クリスマス-続く-)



後書き
非常事態発令!!!!非常事態発令!!!
前、後編のつもりが!!大変申し訳ございません・・・・。
何だかメイン3人一人一人との絡みが欲しくなってしまいまして。
後編こそは長ったらしくならないといいのですが・・・・・・・・・無理だろうな。
では、ここまでのお付き合い、誠に有り難うございます。失礼致します。


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