「・・・・・・・・・・・・なっ・・・何で甘寧が私の上にいるの・・・?!」
「オメェ・・・やっと起きたと思ったら第一声がそれかよ。」
が目を開けてすぐに飛び込んできたのは甘寧の姿だった。
彼はの頭の左右に手をつき、半ば四つん這いになったような形で彼女の上に居た。
「とりあえず早いとこ鈴から手ぇ離せや」
「・・・・え?」
言われて気付いて見れば、は甘寧の首元にある鈴の1つを握り締めていた。
が手を広げてその鈴を離すと、甘寧は待っていたように身を起こし、寝台の隅に腰掛けた。
そして両腕をぐるりと回して首を左右に傾ける。
それと同時にコキコキと言う筋のものとも骨のものともいえる音がした。
「ったく、オメェのお陰で体が固まっちまったじゃねぇか。」
「・・・・・・・・・いや、私意味分からないんだけど・・・!?
何であんたが・・・私の部屋に・・・・・・・しかも寝台に居る訳!?」
驚きと混乱が入り混じり、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
甘寧はそんな彼女をちらりとみやり、顔をしかめた。
「ああ?オメェ・・・まさか本気で覚えてねぇのか?」
「・・・・あんたと宴で飲み比べしたとこは覚えてるけど・・・。」
「・・・おい、そっからの記憶がねぇってんじゃねぇだろうな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
はそこで黙り込み、思い出せる限りの事を思い出そうと努めた。
宴に参加し、慣れない酒を方々から注がれ、
甘寧にからかわれて飲み比べを始めたという所まではハッキリ覚えていた。
だが、何度記憶を辿っても、同じ場面で靄がかかった様にその先が曖昧になる。
「・・・・・・・・呂蒙殿に甘寧が怒られてた気がする・・・・・。」
「ケッ・・・下らねぇとこだけは覚えてやがんな、オメェはよ。
ああ、オメェとの勝負の途中に呂蒙のおっさんが割って入ってきたぜ、
それで当たりめぇだが勝負は中止だ、ま、そんときゃオメェはとっくにヤバかったけどな。」
「・・・・・・・・・・・・・その後・・・・・・・・?????」
言って、は片手で額に触れ眉間にしわを寄せた。
甘寧が呆れたような、それでいて不機嫌な様な表情で彼女を見る。
「ったく、その後が肝心だってのにオメェはよ。」
「・・・?肝心?」
「おぅ、あんまり酔っ払ってやがるから俺がオメェをこの部屋まで送って来たんだ。
んで、部屋に着いた途端オメェがまた駄々こねやがってよ、
俺に寝台まで運べつって喚き出したんだ。」
「なっ!?嘘!!??」
甘寧の話すその内容に、は思わず声を上げた。
「嘘言ってどうすんだよ、あーもういい、とにかく最後まで聞けっつんだ、続けるぜ。」
「・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
納得行かないと言う顔つきながらも頷く。
甘寧は先を続ける。
「で、あんまりうるせぇから寝台まで運んでやったら・・・・・・・・・、
いきなりぶっ倒れて眠り込んじまいやがってよ。しかもオメェ、俺の首の鈴掴んだままだぜ?
しゃーねぇからオメェが起きるまで俺はずっとあの体勢で・・・。」
「ねぇ、途中の妙な間は何?」
甘寧の言葉が終わるより早く、は彼に訊ねた。
甘寧がまたしても眉をしかめる。
「あ?」
「だから、話の途中に変な間があったじゃない。何か気になったから。」
「・・・・・へッ・・・特に意味はねぇよ。」
「そう・・・。」
妙な引っかかりを覚えながらも、彼女は言った。
そしてまたすぐに口を開く。
「じゃあ、私の目が覚めるまで甘寧はずっとあの体勢だったの?」
「だからそう言ってんだろうが。」
「・・・・・・・・どの位?」
「あ?一時(約2時間)ぐれぇたつんじゃねぇか。」
「一時っっ!!??」
は思わず腰を上げて甘寧を見つめた。
あのどう見ても楽な体勢とは言いがたい形をそこまで長時間保っていたというのだ。
体力のある甘寧だからこそ出来得た事だろう。
「起こせば良かったのに!!」
「・・・・またわめかれても面倒だったからよ。
・・・・・・それより、オメェさっさと服直せ。」
「?え?」
甘寧が彼女から目を逸らして指だけで指し示したその場所に目を落とす。
緩められた帯紐に、乱れた襟元から白い肌と胸の谷間が見せ付けるように覗いていた。
「・・・っっっっ!!!???」
驚きと恥ずかしさで声を発する事も出来ず、は急いで胸元を両手で隠すように整える。
そしてそのままの状態で甘寧をジロリと睨みつけた。
「そーゆうことは早く言いなさいよ!!」
「しゃーねぇだろ?大体オメェが動かなけりゃ見えてなかったぜ。」
甘寧がふてくされたように答え、頭をぼりぼりと掻く。
「まさか甘寧!!私が眠ってる間に妙な気起こしたんじゃないでしょうね!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・おい、ざけんじゃねぇぞ!
あの体勢でどうやってコトを起こそうってんだよ!?ああ!?」
「だったらどうして私はこっ・・・こんな・・・格好してる訳!?」
「オメェが自分でやったんだろうが!!!!」
「なっ!?」
思いもよらない甘寧の台詞に、が再び言葉を失くす。
だがすぐに気を取り直したように彼に向かって声を荒げた。
「私が自分でやったって!?いい加減な事言わないで!
それじゃあ何!?あんたは私があんたを誘ったとでも言いたい訳!?」
「だからそうだって言ってんじゃねぇか!!!」
「!!」
甘寧はそこで『しまった』と言う表情を見せたが、それも後の祭り、
は両手で口元を押さえて俯いていた。
「嘘・・・酔っ払って・・・私・・・・・・・・・・・・そんなことしたの・・・・・・?」
「・・・・・・・・ま、安心しろや、ガキの誘いに乗るほど俺も飢えちゃいねぇぜ。」
「!!!」
甘寧としてはフォローのつもりで口にした一言だったが、それはには逆効果だった。
それどころかその台詞のお陰で彼女は要らぬことまで思い出し、
その結果、深く傷付けられた気分になった。
要らぬこと、それは甘寧とが今回の宴で飲み比べをする発端となった彼の一言。
『ガキが調子こいて飲み過ぎるんじゃねぇぞ。』
日頃から甘寧は事あるごとに彼女を子供扱いしていた。
だが甘寧に密かに想いを寄せていたはそれがどうしても許せず、
酒の入った勢いでざるの彼に勝負を挑むことが無謀と承知していながらも、
自ら飲み比べを申し出たのだった。
「ガキ・・・・・・・・・・だから・・・・・・・?」
口元を押さえていた手をゆっくり離し、彼女は呟く様に言った。
その声が聞き取れず、甘寧が怪訝そうに彼女を見る。
「んだぁ?おい、、オメェ大丈夫かよ?もっかい眠っちまった方が・・・。」
「私が子供だから手を出さなかったの・・・・?」
「あ?」
「ねぇ甘寧・・・私はそんなに子供?あんたに相手にされないほど子供?」
俯いた顔を上げ、甘寧に視線を向けて彼女は言った。
そして唐突に帯紐に手を掛けそれを解く。
甘寧が口を開くより早く衣服を自ら脱ぎ捨てる。
「!!オメェ!!!」
(壊れても、いいから -続く-)
後書き
長々過ぎるのをメチャクチャ中途半端なところでぶった切りました・・・。
しかもまだどこがどうお題に絡んでるのか分かりませんね。
最後までいつものようにお題から逸れるかもしれませんが・・・。
因みに、今回の甘寧は3モデル設定(笑)
4は鈴が腰ですが、3は首元でしたよね。
どっちも好きですが。でわここまでのお付き合い、有り難うございます。
続きも読んで頂ければ幸いです。
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