「っってことでさ、悪いんだけど、今日はあんたの室に泊めてくれないか?。」
「えっ・・・?あ・・・だけど・・・・。」
「安心しなよ、俺はこの1ヶ月の討伐で疲れきってんだ、
今すぐあんたを襲っちまおうなんて思っちゃ居ないさ。それよりもさっさと寝台で横になりたくてね。」
「そう・・・そうよね、疲れてるんだものね。じゃあ・・・どうぞ。」

そう言って室の扉を開いたに、凌統は苦笑して見せる。
そして室内に足を踏み入れながらその頭を軽く撫でて言った。

「やっぱり俺があんたを襲いに来たと思ってたのかい?
ま、この時間じゃそう思われても仕方ありませんかね。」
「公積様っ・・・!・・・早く寝台へどうぞ!」
「はははっ!じゃ、借りりるとしましょうか。勿論、あんたの隣に。」
「え?!」

驚いて声を上げる彼女に凌統は笑みを浮かべたまま続ける。

「驚く事ですか?寝台は1つしかないんだぜ。それに別に構わないだろ、俺とあんたは恋人同士なんだし。
それにさっきも言ったが、残念ながら俺は今あんたに手を出す体力も残ってないんでね。」

は彼の言葉に少々戸惑った表情を見せたが、結局大人しく2人で寝台へ横になることを了承した。
凌統はよほど疲れていたらしく、すぐに彼女の隣で寝息をたて始めた。
はそんな彼の寝顔をじっと見下ろしながら、小さく溜息を吐く。
2人が恋人同士となったのは凌統が討伐活動を行うために城を出る直前のことだった。
どうしてもここを出る前に話しておきたい事があると言われ、
彼の元へ向かったところで彼女への想いを告げられ、はすぐにそれに応えた。
だが、そこで口付けを交わそうとした刹那に、彼を呼びに来た甘寧にそれを邪魔される結果となってしまったのである。
そしてそのまま彼は討伐へ赴いて行ったのだ。
つまり、恋人同士になったと言うのは事実だが、それらしい事は何一つしていない。
その上は凌統とは違い、年齢も彼よりも6つ下で、この手の事にはひどく疎かった。
凌統が今彼女の隣で眠っていると言う事にさえ、意識しすぎて眠る事も出来ない。

「ホントに気持ち良さそうに眠ってる・・・。人の気も知らないで・・・・・・・。」

彼女はそう呟いて、凌統の茶色がかったその髪に触れた。
そうして時間を過している内に、彼女もいつしか眠りに落ちていった。



数時間後、ふと彼女が目を覚まし、瞼を開けると凌統が彼女を見下ろしている姿が目に入った。

「・・・公積様・・・起きてたの・・・?」
「ああ、少し前にだけどな。の寝顔に見惚れちまってた。」
「もう!すぐそう言う恥ずかしい台詞を!」

は彼の台詞に顔を赤くして抗議する。
凌統は不意に彼女の腰を抱くと、そのまま自分の方へ引き寄せた。

「っあっ!公積様・・・っ?あの・・・私・・・・」

瞬時にして彼女は身体を硬直させ、困ったように言葉を詰まらせる。
恋人とは言え手をつなぐ事さえした事もない上に、彼女は異性への免疫が殆どない。
どうしていいのか分からず、ただ戸惑いながら益々顔を赤らめた。
押し付けられる凌統の胸、そして伝わってくるその体温に、無意識の内に彼女の鼓動が速まる。

・・・、あんた、俺が怖いかい?」
「えっ!?・・・そんな・・・そんなことはないけど・・・。」
「震えてるぜ・・・、身体が・・・。」

クスと彼は彼女の耳元で小さく笑った。
そして抱き寄せている腕に更に力を込め、彼女の太腿の間に自分の足を絡めるように滑り込ませた。

「こっ・・公積様・・・っ何を・・・!?」
「怯えてる訳じゃないのに震えてるって事は、寒いんじゃないかと思ってね。これなら寒くはないだろ?」
「それはそうだけど・・・でも・・・・。」
。」
「え?」

彼女はこの状況に戸惑いながらも、凌統に名を呼ばれ顔を上げた。
その瞬間にその唇に彼の唇が触れる。
それは本当に唇を軽く合わせるだけの口付けだった。
すぐに彼は唇を離し、湿った吐息を彼女の唇に吹きかけながら囁く。

「正直言うと俺はもう充分体力回復しちまってるんだ、
この部屋に俺が来た時にあんたが考えてた事、実行することも出来そうな位にな。」
「・・・・・え?それは・・・・?」

言いかけて、彼女は考えるように視線を彷徨わせた。
そして、すぐに思い出したらしく、声を上げる。

「こっ・・・、公積様っ・・・さっきその気はないって言ったくせに・・・!」
「だから言っただろ?もう体力回復しちまったってさ。」
「でも・・・そんな・・・突然・・・私にも心の準備ってものが・・・。」

戸惑いの中言葉を必死に紡ぎ出す彼女の姿に、凌統はクククッと喉の奥を鳴らして笑い始めた。

「冗談ですよ、殿。幾ら俺でも無理強いはしないぜ。」
「公積様!」

抗議の声を出し、それと同時に彼女は軽く彼の胸を拳で叩いた。
だが、その手もまた彼に掴まれる。

「・・・・公積様はズルイ・・・。」

凌統の腕の中でボソリと彼女が呟いた。
未だに彼女の鼓動の速さは収まっておらず、体温は上昇し続けている。

「ん?ずるい?」

問い返す彼に、が小さく頷く。

「歳も6つも上だし、女の人の扱いに慣れてるし、余裕丸出しだし・・・。
ズルイよ・・・、さっきから焦って慌ててるのは私ばっか・・・。」

そこまで言って、は目の前にある凌統の顔を軽く睨みつけた。
彼はまた唇の端を薄く上げると、唇を彼女の耳元に寄せる。
生暖かい吐息が耳に吹きかかり、彼女は僅かに仰け反るように身体をよじった。

「んぁっ・・・公積様!またそうやって・・・!私をからかって遊んでるだけなの!?」
「遊ぶ?とんでもない。それに俺は余裕なんか持ってるつもりはありませんよ。」

彼女を腕に納めたままで、凌統は言った。
そしてその耳元で熱を含んだ声で更に囁く。

「さっきは無理強いしないって言ったけど・・・、
本当のとここのままあんたを抱いちまいたくて仕方がないんだぜ。」
「っ・・・!?」

その言葉を聞いた瞬間、再び彼の腕の中のの身体が硬直した。
そこで凌統は苦笑する。

「けど、そんなことしてあんたに嫌われんのは御免だからな、今は我慢しますよ。
・・・・・・に関して言えば、俺に余裕なんか全くあったもんじゃないんだ。
せめて、口付け位は許してくれるだろ?」
「・・・公積様・・・・・。」

彼女が凌統の名を口にすると、凌統は彼女の頬をなぞる様に耳元から頬へ唇を移動させた。
同時にの太腿の間から絡められた彼の長い脚が僅かに動き、彼女は軽く息を飲む。
やがて凌統の唇が彼女の唇に触れた。

「俺にとってこの1ヶ月は拷問だった。勿論、あんたに会えないって理由で・・・。」

唇と唇を軽く重ね合わせたまま、彼が囁く。
は視線を伏せたまま、顔を赤くして彼の身体に恐る恐る自分の腕を回した。
それを合図に彼は唇を強く押し付け、先程の軽い口付けとは違い、舌を彼女の口内へ侵入させた。
その途端にビクリと彼女の身体が小さく震える。
凌統はそれを押さえ込む如くまた腕に力を込めた。
彼は舌での舌を探り当て、それを絡め合わせて強く吸い上げる。

「ん・・・・・・っ・・・」

は思わず声を漏らし、小刻みに身体を震わせた。
彼女の身体の芯が熱くなる、
凌統は角度を変えては彼女の唇に吐息と熱とを送り込んだ。
クチュと言う水音が僅かにくぐもって互いの重なり合った口内から聞こえてくる。
は羞恥心を煽られながらも、身体が蕩けていくような感覚を覚えていた。

「・・・ふ・・ぅ・・」

溜息の様な声がの唇から漏れ、それと共に凌統が唇を離す。
互いの唾液がまるで鎖の如く2人の唇を繋いでいた。
凌統がそれを彼女の唇に舌を這わせて舐め取る。
彼女は意識を飛ばしているように、瞳をぼんやりとさせてそれを見つめていた。
やがて我に返ったらしく、は再び顔を赤くして目を伏せる。
そして彼女は彼の肩に軽く額を触れさせて口を開いた。

「やっぱり・・・ズルイ・・・。」
「何が?」
「・・・口付け・・・私は公積様とが初めてだし・・・その・・・こんな事・・・、
思うのもどうかと思うんだけど・・・・。」
「ん?」
「・・・・・・・体が・・・・蕩けるかと思った・・・・・・・・。」

微かな声で彼女が言った。
凌統は彼女の台詞にフッと唇に笑みを浮かべる。

「そりゃ光栄。」

言って、彼は彼女をまた強く抱きしめた。

・・・。」
「1ヶ月・・・私も寂しかった・・・。って言うより・・・不安だった・・・。」
「どうしてだい?俺が信じられなかった?」
「・・・そうじゃないけど、結局あれからすぐに離れ離れだったから・・・。」

は凌統の胸に顔を埋め、彼の体に回していた腕の力を強める。

「やれやれ、この状況でそんなこと言われて・・・しかもこんなことされちゃ、
俺も我慢できなくなるぜ?・・・・・・・・。」

彼はそう言って彼女の唇を再び塞ぐ。
そして、剥き出しの太腿をゆっくりと下からなで上げた。

「んんっ・・・」

は声を漏らしたものの、抵抗する様子はない。
凌統はその手をそのまま彼女の腰紐に移動させ、それを静かに解いた。

「あっ・・・。」

肌蹴た胸元に唇を寄せ、彼が囁く。


「大人の余裕なんてもんがあれば、俺もここまでがっつかなくて済むんだけどね・・・。
どうやら俺には無理みだいだ。」



(体の奥が蕩けそう -終わり-)



後書き
大変遅くなってしまいましたが、
10万HITでイラストを下さった咲華様へのお返しドリです。
咲華様、本当に遅くなって申し訳ありませんでした!!
頂くだけ頂いておいて・・・(涙)
しかも何だか無駄に長ったらしくなってしまいました。
私の書く凌統は相変わらず我慢弱い・・・・。
ですが、一生懸命書き上げました!!!感謝を込めて咲華様に捧げます。
本当にいつも温かいお言葉を有り難うございます!しかもイラストまで頂いてしまって・・・。
これからも宜しくお願いいたします!


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