硬く、逞しい厚い胸板。
そこに画かれた目を見張るほど見事な双頭の龍の刺青。
は一糸纏わぬ姿で、頬杖をついてその刺青を真上から眺めていた。
そして片手の指先で、つ、と、うねる龍の胴体をなぞる。
寝転がって両手を後頭部で組んでいる甘寧が、彼の上に居る彼女と目を合わせて言った。

、やめろって、くずぐってぇだろがよ。」
「フフ・・・だってあんまり立派なんだもの。」
「へっ、さすがにもう見飽きてもいいんじゃねぇか?」
「いいえ、見飽きたりしないわ。」

はそう言って、ふわり、と、柔らかく笑みを零した。
釣られたように甘寧が笑顔を見せる。
彼は片手を後頭部から外すと、彼女の長く美しい黒髪に指を滑らせた。

「俺がオメェの髪に飽きねぇのと一緒か。」
「そうかもね。」

返事をした彼女が、不意に身を起こす。
そして彼の顔のすぐ真上まで近付いた。
艶やかな黒髪が、さらさらと甘寧に降り注いでくる。
の肉感的なふっくらとした紅い唇が、またほころんだ。
甘寧が体を動かそうとするより早く、彼女は自らその唇を彼の唇へと押し付ける。
彼女の柔らかな舌が誘うようにちろちろと甘寧の唇を這い回った。
彼の舌がすぐさまそれに反応し、の口内へと侵入する。
きつく絡み合った舌が互いを離すまいと吸い付いては、クチュクチュと言う水音が室内に響いた。
の髪を梳くように動いていたはずの彼の掌は、
ゆっくりと移動し、彼のすぐ上で揺れているの豊かな胸の膨らみを包み込む。

「・・・ん・・・っ・・・。」

ほんの僅か身を離したを逃すまいと甘寧の唇が追うように角度を変えた。
交じり合った半透明の唾液が溢れ出すと、彼は舌を使ってべろりとそれを舐め取る。
既に重なり合っている2人の裸の肌が、再び更に上気してくるのを互いに感じていた。
彼女の胸を弄ぶ甘寧の掌の動きが荒さを増して来たその時、不意にが乱れた息でゆっくりと身を離した。
甘やかな吐息を吹きかけられながら距離を取る彼女に、名残惜しそうにしつつ甘寧もそれに倣う。

「どうした・・・?俺はもう滾る寸前だぜ、。今のでイッちまいそうな位によ。」
「・・・フフ・・・私もよ。だけど・・・ねぇ興覇・・・・・。」

彼の字を呼んだの手が、先程まで彼女の胸元を弄っていたその手に重ねられる。
白く細い指が、甘寧のごつごつとした指へ絡んだ。

「今日はこのまま突っ走る前に・・・もうちょっとだけ・・・こうしていたい気分なのよ・・・。」

言ったが、掌を重ね合わせたまま、彼の胸に頬を押し付ける。

「オメェな・・・だったら自分からあんな口付けしてくれんなよ。
この状況でいつまで我慢できるか分かんねぇぜ?」
「分かってるわよ。十分に、ね。」

合わせた肌と肌が火照り、甘寧がを求めている事は彼の上に乗っている形の彼女にはすぐに理解できた。

「でももう少しだけ・・・、いいでしょ・・・?」
「ったく、これは何かの拷問かぁ?
・・・・・つっても、ま、俺がおめぇの言う事に逆らえねぇ事は分かってるだろ。」

諦めたように答えた彼に、は妖しく微笑んで返した。
甘寧の胸に耳を押し当てるようにして、彼女は繋いだ手の指先に力を込める。
彼の規則正しい心の臓の鼓動が耳に響いた。

「興覇・・・。」
「あ?」
「・・・・・・私ね・・・このまま・・・私も貴方も・・・同時に心臓を止めてしまえたら・・・、
なんて本気で考える事・・・あるのよ?」
「ヘッ、馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ。」


クスリ。
は小さく笑って瞳を軽く伏せる。


「後もう少しだけ・・・こうして居させて・・・。」
「オメェの好きなだけそうしてろ。」


は僅かに頷いて、再度彼と絡めた指先を握り締めた。

そんな彼女を愛しそうに、甘寧もまた、指先に力を込めた。


(終わり)



後書き
突発夢だから出来る長さと終わり方・・・。
最後の2行が書きあがらなくて眠いの我慢して考えてました。
しかも微エロ通り越しそうになりました。
まともな裏を書けずに挫折したはずなのに・・・。
ではでは、ここまでのお付き合い、誠に有り難うございます!


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