、まさかアンタが敵側の捕虜になってるとはな。」
「っ!?貴様は・・・独眼竜!!??」

捕らえられたある城内の地下牢。
見張りの数人が慌しく何事か会話を交わし、
どうやら辺りが騒然となっているようだとが気付いたのはつい先ごろだった。
この城が夜襲に合い、戦いが始まったらしい。
そして夜襲を掛けて来た相手側の総大将が、
今、彼女の牢の前に立っている独眼の男、伊達政宗だったのだ。

「HA!俺としちゃ都合がいいぜ。この城はもう落ちたも同然だ。
つまり、今度こそアンタは俺のモンだぜ?honey.」

ククッと喉を鳴らし、政宗が笑う。
地上の戦とは無縁の静かな地下牢に、彼のその哂いはよく響いた。

「誰が・・・・誰が貴様の言うなりになど!!」
「OH!手足を縛られてるってのに、相変わらず威勢がいいねぇ。」

口元を曲げて笑んだまま、政宗は言った。
そして不意に胸元から何かを取り出す。
鍵。
それは紛れもなく彼女の牢の錠の鍵だった。
黒光りする鉄の鍵は、赤い血で所々濡れている。
恐らくは見張りの人間のものだろうと彼女は思った。
彼はその鍵で錠を外しながら、隻眼の鋭く冷たい瞳で彼女を見つめている。
はそれに対抗する如く視線に敵意と憎しみを込めて彼を睨み返した。


「クックック・・・your eyes gives me chills.--アンタの瞳は俺をゾクゾクさせるぜ。--
上等だ、、アンタやっぱりいい女だな。益々そそられるってもんだ。」


ギ・・・ギッ・・・


不気味に軋む音と共に、彼女の牢が開いた。


カツーンッ・・・


政宗が不要となった手元の鍵を冷たい床へ落す。
そして、たった今開いたばかりの扉から、牢の中へと足を踏み入れた。

「・・・来るな!!この城が落ちたと言うのなら、さっさと私を殺せばいい!!」
「No.アンタはこれから俺のモンだ。生かすも殺すも、俺が決める。」

そう言うと、彼は長く骨ばった指を彼女の喉元へ触れさせた。
その指先は氷を喉に押し付けられたかと錯覚するほどに冷たい。

「触るな!!離せ!!」
「Shut up!アンタにゃもう、選択権なんざねぇんだよ、。」
「ぁうっ・・・!!!」

グッ、と、その指先が彼女の白い喉元に食い込んだ。
瞬時に感じた息苦しさに、が僅かに顔を歪める。

「どんなにこの時を俺が待ち望んでたか・・・アンタに分かるか?。」

政宗は先程よりも更にその薄い唇の端を曲げて見せると、
彼女の後頭部の黒髪を、力を込めて掴んだ。

「あっ・・・うぁっ・・・き・・・貴・・・様・・・!!」

は喘ぐように声を漏らし、それでもあらん限りの憎しみを込めて彼を睨みつけた。
不意に、喉元の彼の指先の力が和らぐ。
彼女の肺が、空気を求めて大量に息を送り込んだ。
ヒュッ、と、の喉が鳴る。
その瞬間を狙ったように、政宗は彼女の唇に強引に自分の唇を重ねた。
手足を縛られている彼女には、それに抗う術もない。
代わりに毒を吐く為に開かれたその唇に、政宗の舌が無下に押し込まれる。
ぬらり、ぬらりと巧みに蠢く舌が、の憎悪を増殖させていく。


--ガリッ・・・


「クッ・・・やってくれたな?honey.」

口の端からツーと、赤い血の筋を流して政宗が哂った。
は自らの口内で噛み切らんばかりの勢いで彼の舌に歯を立てたのだ。
彼女の舌に、血液独特の鉄分を含んだ味がじんわりと広がる。
ギラ。
再びの瞳が憎しみを滲ませた。

「それ以上、私に近付くな!!放って置けないというなら、今すぐここで死んでやる!!」
「OH!今度は自分の舌を噛もうってのか?
だがな、、それが出来るなら、アンタはこの牢に突っ込まれたその日に、
とっくにそうしてるはずじゃねぇか?なのに今までこうして生きてるってのは何でだろうな?」
「・・・っ・・・!!」
「答えは簡単だぜ、アンタは本気で死を選んじゃいねぇってこった。」

歪めて哂った政宗の整った唇が、何処か嬉しげに彼女に告げた。
口の端の血を舌で舐めとりながら、彼が刀の柄に手を掛ける。
無言でそれを目で追うに、政宗は更に続けた。

、安心しな。アンタを殺しゃしねぇ。だがな・・・・。」

シャッ・・・・!!!


「っ!!」

彼は抜刀したかと思ったその瞬間、目にも止まらぬ恐ろしい速さで、それを彼女の前で振り降ろした。
の衣服が、切り裂かれる。

「なっ・・・何を・・・・!!!」

彼女の肌には傷1つつけることなく、されど見事に着物はその意味を失った。
の表情に、恐怖が滲む。
政宗は満足そうに冷たく鋭いその隻眼の視線を彼女に突き立てる。


「アンタは俺のもんだ、誰にも渡さねぇ・・・。覚悟しな、。」


再び彼女の方へと伸ばされる政宗の手に、は怯えた掠れ声を上げた。

「触るなっ・・・いやっ・・・いやだ・・・!!」


追い詰められた獲物に、逃げ場などない。


やがて静かな地下牢に、彼女の悲鳴が響き渡った。



(終わり)



後書き
クサクサ政宗の反動でしょうか・・・・えらいもんが出来上がった・・・。
まさに気狂いな感じの愛情表現。限りなくダークな。
突発だから書けた夢です。ではでは、ここまでのお付き合い、誠に有り難うございました。


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