空からバリバリバリっと乾いた大きな音が降って来ると同時に青い光が眩しい位に室内に入り込んだ。
瞬間的な物とは言え、下手すると電気を消してても部屋の中が明るくなる。
雨は小雨に近い程度の勢いだってのに雷様は何でこんなに張り切ってるんだろうか。
雷が鳴り始めた最初の頃はそれなりに面白いと思えてたものの、
さすがにこうズガズゴばりばりピカピカされると笑えなくなってきてしまった。
この寮の施設状態から言って例え人工島に落ちたとしても停電になることはないだろうけど、そういう心配以前の問題だ。
は窓に近寄ると軽くカーテンを捲って空を見上げた。
その瞬間にまた青白い稲妻が空を駆け抜け、バリバリっと激しい音がする。
自分で覗いておいて何だけど、ビビったは慌ててベッドに戻って布団を被った。
何てベタな行動をしてるんだなんてツッコミはこの際なしだ。
さっきも言ったように、雷が鳴り始めた最初の時は子供の頃感じたあの謎のワクワク感を抱いて、
雷の音や光を面白がってさえいた。
だけど時間が経つにつれて雷の勢いがどんどん酷くなって、
既にどっかに落ちたんじゃないかって思ったのは一度や二度じゃ済まない。
さすがに面白いなんて言っていられなくなり、今は一人でビビりまくってるって訳だ。
おかげで布団にくるまってベッドの隅っこに座り込んでいるという古典的なスタイルになってしまってる。
その間も空が割れるような激しい音が鳴り響き、青白い光が暗い室内をちらちらと照らした。
寮の壁は決して薄いものじゃないし、普段なら窓を閉めておけば雷の音もこんなに大きくは聞こえない。
だけど今回は何だか音の大きさも数も今まで経験したことのあるものとは違っていた。
寮の就寝時間はついさっき過ぎたばかりだが、この分だと大部分の生徒は起きているんじゃないだろうか。
少なくともはこの状態で眠るなんて無理だ。
「・・・・・・うう」
呻き声を漏らしつつ、は枕の横に置いていたケータイに手を伸ばす。
雷が怖くて一人じゃ居られないなんてガキか!
やめよう、やめようよ、自分。
ついさっき言ったように、就寝時間は過ぎているが時間帯的にはまだ遅いってほどでもない。
加えてこの雷の音。
起きている生徒もきっとまだまだ多いはずだ。
でもだからって雷怖さに電話するってのはどうだろうか。
いやだがしかし。
が座敷わらしみたいな格好のままそんな葛藤を繰り広げていると、
またまたまた(以下略)しても空が恐ろしい勢いで雷の音を響かせた。
おかげで瞬時にしての迷いは吹っ飛び、手にしたケータイから助けを求めることにする。
別に、こっちに来てくれと言うつもりはない。
ただ、の気を紛らわしてくれればいいから、それに付き合って欲しいだけだ。
と言うことで、は真っ先に思い付いた相手に連絡することにした。
→番号を発信した瞬間に思い出したけど、確か和希は今日理事長の仕事で遅くなると言ってた。
→七条は夜型だし間違いなくまだ起きてる側の人間だろう。
→西園寺に電話ってのは、何故だか直に話しかけるより緊張する